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流れ星より重い、何かがどっしり曲線を描いた。美しい、美しい、曲線を。
それは消えた。重そうな見た目とは裏腹に、散るように、消えた。
ーーどんっ!
ぴかあっ。
ちりちり‥
花火が打ち上がったみたいに、音がした。すぐさま思った。
"さっきの何かだ!"
もう夜空にはいなくて、何だったのかは分からない。けれど、存在感はすぐ横に感じ、小爆発のあとは、一瞬だけ、昼が訪れた。誰もいない、寂しい昼。
すぐに、夜に連れ戻される。昼と夜の狭間はそれだけ貴重で、儚い。一瞬の時間が終われば、ごみ屑として降るだけ。
それでも、私はその真ん中にたった!本当に、一瞬を、あの何かと過ごした。自然に、涙が溢れた。
「冷え込んできたから戻って来なさいー」
能天気な母さんの声がした。
昼と夜の狭間のこと何て微塵も知らぬ素振りで、手をふった。
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