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「……お前は頭が良いのか悪いのか分からん奴だな。俺はお前と話せる」
ドゥルークは爪を一本立てて自分と男の子を順番に指差しました。それに男の子は頷いたが未だにピンと来ていない様子でした。
「俺はお前と友達だ」
「うん!」
男の子は満面の笑みを浮かべています。
「……はあ。だから、俺はお前を食べられない。意味が分かるか?」
男の子は腕を組んで首を傾げ、その頭が地面についてしまいそうな程傾くと、ドゥルークがそっと掌で受け止めました。
「つまりだ、俺はこの森の全部の動物と普通に会話が出来る。肉を食べるって事はな、友達を殺さなきゃならんという事だ。お前は泣き叫ぶ声を聴きながらその肉が食えるか?」
男の子は首を左右に勢いよく振り、さらさらの黒髪が左右に激しく揺れて又元に戻りました。
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