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「でも、僕、お肉を食べるよ」
「そりゃ別に構わんさ。お前の場合は店って所で既に加工された肉を食ってるんだから、実感がわかないのも無理はない。森にはそんな店は無いからな。自分で食べ物を採って暮らさなきゃならん」
男の子はドゥルークの股の間にいそいそと座り込んで、ふさふさで柔らかくて温かい彼にもたれ掛かりました。ドゥルークは男の子を両手でそっと包み込んで言いました。
「♦♦♦。お前のその力は誰にも言っちゃいかん。言えば、災いが降りかかる。聞こえても聞こえないフリをするんだ。
人間は俺達が言葉を理解出来て喋れると知った途端、毛皮だけじゃなく、見世物にも利用出来ると踏んで沢山の仲間が連れて行かれた。
お前も動物と話が出来ると知られれば何をされるか分からん。それにそれ以外の能力の事も喋ってはならん」
ドゥルークはとても怖い顔で男の子にそう言いました。
「……分かった」
男の子がそう返事をするとにっこり笑って、頭をぽんぽんと撫でました。
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