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男の子
ある森に美しい碧い毛をした大きな熊が住んでいました。
太陽の光を浴びるとキラキラと輝く毛皮はまるで宝石の様だと評され、人間達が挙って碧い熊の毛皮を欲しがりました。
しかし、彼等の毛皮をそう簡単には手に入れられません。何故なら、彼等は力がとても強く、獰猛でした。安易に近寄れば鋭いかぎ爪と牙の餌食になってしまいます。
ただ、彼等は不思議な事に「肉」を一切食べませんでした。主食とするのは木の実や葉で一番の好物は蜂蜜でした。彼等は肉食獣の筈なのに、何故肉を食べないのか?
その理由は――
「ねえ、どうしてお肉を食べないの?」
黒髪の男の子が本を片手にそう尋ねました。
「どうしてかって? そこに書いてあるじゃないか」
大きな碧い熊は男の子と一緒に大きな樹の太い幹に寄りかかって、男の子が持つ本に傷を付けない様に爪で指差しました。
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