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 富岡きみこは、フィルムを新聞部の暗室で現像していた。手際よく印画紙を現像させ、定着液に浸し、乾燥させる。  ……黙って盗撮して帰ることだってできたのに……わたしは何莫迦なことしちゃったんだろ……。  悔恨がきみこの頭をよぎる。  とにもかくにも、きみこは赤羽涼花をじっと見つめたり、こうして盗撮した彼女の写真を大事にするしかなかった。  来年の三月には卒業が待っている。  きみこは乾燥のため吊り下げた涼花の写真を眺め、嘆息した。  ──妹にしたかった、と。     〈了〉 【フェチ箇所】 肩甲骨
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