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1997年7月1日16:40時
5時限目終了のチャイムが鳴った。
1時間弱この302号室にて待っていた、黒板にタイムテーブルを書いて。
それは2分程度すれば決めて書き終える程度の内容だったので、ずっと学校指定のカバンに突っ込んだままの資料を黙読したり、椅子に座り教卓に突っ伏しているだけ。
ただ煩悩として、カナセが自分が居ないことを誤魔化してくれたか、気がかりである。
どれだけの時間が過ぎたかなど興味は無く、予定時刻になったのか聞いたことのある声がした。
「ウォルターさん、全員来ました」
「お、来たか。じゃあ今日の話をするから前の方に座ってくれ」
教室の前から最初に入って来たのはレクシー、そのあとにマイナ、マリー、その順でやって来て、指示通り前に座る。
確認したウォルターは自分の体で黒板に白チョークで書いた字が隠れないように退く。
「で、だ。これが今日のタイムテーブル、時間が前後することも考慮して考えた。用具機材はもう揃えてある。
それは良いんだが、俺らの目的があってるかを確認したい。まず俺のことだが、お前ら八〇六を最低でもCランクまで上がれるくらい強くなって貰いたい。
勘違いして欲しくないのが手段は選ぶし、お前らに無理をさせない。そのことが一番俺にとっても良い結果になるからそこは安心してくれ」
黒板に書かれたタイムテーブルはたった一つ「能力テスト」の文だけ、終了時刻は17:40時〜18:10時と見込まれている。
ほぼ全ての竜騎士は能力テストの言葉を怖がる。これは適正テストとは違い、もっと根本的な実力のテストであるが為だ。
彼は周りを見渡し誰も異論を挟まないのを確認して続けた。
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