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やけどしそうな程の熱が押し当てられ、息を飲む。唇が塞がれた喉の奥で声が漏れる。
「ん、ぅ」
舌の裏側を撫でられ、震える腰を掴まれ、こじ開けられるように内壁を潰しながら、大きな質量が下から突き上がってくる。
「っう、あ……!」
鼻から声が漏れる。背中が震える。内臓が焼けつくような感覚。
口の端から、飲み込めない唾液と声が漏れる。痛みと、背徳感と高揚感と、幸福がぐちゃぐちゃに混ざって、意識が飛んでしまいそうだった。
「うっ、きつ」
唇が離され、硬く閉じた目蓋をゆっくり開ける。
「すご……永遠の中にいるとか……」
陽の落ちたばかりの黄昏時。
赤と藍が混ざり合い、室内の影をより深く染めて。
俺を見つめるダークブラウンの瞳は、サンセットの空みたいに優しく揺れた。
「大、丈夫……だから、動いて」
繋がってる。
同じ熱を分け合ってる。
それだけで、泣きそうだった。
何度も諦めて、何度も忘れようとした。
もう二度と、俺は浬に触れちゃ駄目だと言い聞かせたけど。
こんなに好きなのに、無理に決まっていた。
浬の端正な顔が苦しそうに歪む。それが堪らなく愛おしくて。息が出来ないくらい嬉しい。
「も……離れたくない」
「うん、逃がさない」
浬の首にしがみつく。
腰を持たれ、ゆっくりと打ち付けられる熱。
浅く、深く、何度も肉壁が擦られ、与えられる刺激に仰け反る。首筋に甘く噛み付く唇も声も、全部。
「ぁ……かい……りっ」
「永遠」
優しくキスが落とされ、熱い唾液が舌を伝って流れ込む。右手の指を絡め、頬に添えた左手は浬の汗を受ける。
体の中には、浬の熱が爆ぜて。
もう隙間は、ひとつも無くなっていた。
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