4 きっとあなた驚、く

1/1
前へ
/1ページ
次へ
      🐤...       「フゥ~ 💦 けっこう、             ツカレルし!」 ミオンがウォーターサーバーの、交換用の 水のボトルを、重たいので1つずつ、3つも、 ずいぶんと離れたバックヤードに運び入れ、 クタクタになって受付に戻ってくると、 高井が、社長室から出てきた。 空気が動き       『カチャ!』 ムスクのコロンの香りが ミオンに届く。🌹        「お疲れ様でございます」 「おぅ!お疲れ!  おい⁉ミオン…、    そのスーツ?」         「はい!これは?          接客担当と同じスーツ          ですよね、私にも🐤           支給されました💛」 ミオンは、ココの先輩社長秘書さんとは違う 装いの、この会社の、営業部、接客担当用の ユニフォームでもある、スリーピースのビジ ネススーツを着ていた。 これをミオンに手渡したのは、 その、先輩秘書さん。 高井は、右の眉を上げる。 「それ、は?  『シツケ』糸、ついてたか?」             「イエ?…」 「そうか…、では、すぐに、  新しいモノを用意させる。  なにかの、テチガイカ?  まぁ…、善い、  すぐに用意させるから、  新しいモノに    着替えろ、いいな!」 🐤...          「...はい?」 ミオンはキョトンとしたが… この会社は、支給するモノは「新しいモノ」 しか、渡さない。それなのに、ミオンが、 少し、生地の疲れたモノを身に着けている 事に高井は気づいて、声をかけた。 ミオンは、いままで、(開発部の)営業だ ったので、自分で用意したビジネススーツ (リクルートスーツ)を着ていた。だから、 マンションギャラリーで働く営業部の接客 担当が、このスーツを、いつもきちんと、 ピシッ!と着こなすその様子は知らない。 この会社の、 マンションギャラリーの接客担当は、 週1で、このスーツやブラウス数枚を、 会社経費で、クリーニングに出し、 シーズンごとに、もしも生地がくたびれた モノがあれば、会社が回収し、その都度、 新しいモノが支給される。 なので…、 先輩秘書さんは、どうやって、 ワザワザこれを用意したのか… ところがミオンは、          …GMって⁉           やさしい…💛            (。・ω・。)♡ 🎀          …あれ、💛?            この 🌹 香り、                        まだ、残ってる… ミオンは、いつも、 何かと自分の事を気にかけてくれる、 高井の事が気になってきた… まだ… 気づかない? ウォーターサーバーの件といい、 この、 スーツの件も、 ミオンは、 知らない事、ダ・ラ・ケだ。 でも、 それは… ヤバイ💦かも… そして、翌月… ウォーターサーバーのボトル交換に訪れた 業者さんは、そのボトルを3つとも、 バックヤードまで運び入れた。            ❔❔❔            …あれ?              そうなの?…                 ❔❔❔ 受付に座ったまま、その様子を見たミオンは、 キョトンとした。業者さんは、初めて、では ないようで、ミオンに会釈だけして、自分の 作業を進める。     🐤...「お疲れ様でございます、         あの…、そのボトル、        私が、運びましょうか?」 「イエ?私が、いつも、  バックヤードにお運びして、  Dressing roomの、  ボトル交換もしていますから…  毎月、交換のタイミングで、  お邪魔しているので、  なにも!なされなくて、         大丈夫です!」 「あっ!でも先月は、たしか…         アッ、イエ‼」 ニコニコしていた 業者さんは一瞬固まる。        ❔❔❔      🐤「あっ?        ありがとうございます        宜しくお願いします」               ❔❔❔ 「は、い…」 「あの…  ストックは大丈夫ですが、  もしも、  ウォーターサーバーの  ボトルの水の残量が、  いつもよりも早く、  無くなりそうでしたら、  お電話いただけましたら、  すぐに交換に伺いますから、  大丈夫ですよ…  ご心配なさらないでください...」         ❔❔❔         🐤「お電話で?...」               ❔❔❔ 「はい、ご自分で  なさらないで大丈夫です」 この業者さんは、 月に1回程度は ココへきている。 何も知らないミオンよりも、 ココの事が 詳しいのかもしれない。 見るからに新人のミオンを気遣う様に、 優しい言葉をワザワザ付け加えてくれた。          🐤「はい!」 .       ..あれ…❔❔❔         じゃあ…、私は         ゼンゼン、なにも、         やらなくても             いいの?… ミオンは、 冷たい空気を背中に感じた。                   ♦♦♦ ♦          『サァ---!』             ♦♦ ♦             🐤「エッ!」 とっさに、振り返り、 背後を確認してしまう。        …うっ、大丈夫、             か 💦… ミオンは、まだ、1年目の社員。 それに、 ミオンは少し気の強い娘。 これも、 高井が望んだこと。 ここに既にいる、 「♦美人社長秘書♦」さんは、 ミオンよりも5つ上で、シタタカだし、 気も強い。そして、厄介な事は、 GMになったばかりの高井よりも前から 社長の近くに居た人。 それは、 ♦ 面倒くさく ♦ 扱いにくい なので、 高井は 自分のために、 ☆素直に動く者を、 用意したかった。 だから、 ただ美しいだけではなく、「扱いやすく」て、 この社長秘書に負けないくらい「気の強い」 娘をと、考えていた。 ミオンは、 新宿支店の開発部からここへ異動になってき た。そのときの元上司は、社長と同じメガバ ◎ク出身。 それは、身の安泰を意味するのだが、 その姿は、Hippopota◎us amphibius の ようで、パッとしない。 昼食には毎日同じカップ麺を「ズズズゥ!」 っと、皆の前でも音を立てて食べていて、 それはかなり目立っているのに、肝心な仕事 の営業成績は良くはなく、職場で成果を出せ ていない。 この会社には、様々な派閥があり、 たとえば、佐藤は、高井が堕とした、 前GMの大学の後輩で、そこの水球部の後輩 だったので、 前GMに力があった当時は、絶対服従だった し、可愛がられて出世も早かったが、その 派閥のTOPが失脚すれば、その下の者も… 社内の力関係も、 その派閥の勢力で決まるが、 このような事は、他の派閥でも見られ、 そして、それは、シビアに、 たとえ、いまは強い社長の派閥の 「◎行組」の中に居ても、それはそれで、 また、力関係があるので、 その中でも、このHippo課長だって、 負けるわけにはいかない。 だから、焦っていた。 Hippo課長は、まだ若いが、◎行組の、 社長と同じ50代は、 その年齢でこの会社に入ると、 いきなり、200名程が在席する支店の、 「支店長」クラスで迎え入れられている。 これを、この会社に新卒で採用になってから、 ずっと頑張ってきた者たちは、快くは思って いない。 高井も、その一人。 高井は一匹狼だったが、GM(営業本部長) になって本社に入ると、動きを変え、 そういった者たちに近づいていく。 このお気楽な「◎行組の50代」は、たぶん、 バ◎ル期の人たちで、 その当時はメチャメチャ凄かったから? その下の40代の高井たちとは考え方も違う。 「 支店長会議で、この社長室 floorの  大会議室に支店長たちが集められると、 その顔ぶれは、〇〇◎行のOB会のようだ」 … ◎行との関係は  良好でなければ  なら、ない、のだが、       これでは… 高井は、 このfloorを充実させるために、 社長室前に、受付カウンターを設置して、 社長を訪れるVIPの接客をさせる名目で、 「美しく若い娘」を配置することを決めた。 それは、 いずれは社長室に近い、 この受付の者を利用するためで、 だから、 そこへ自分の営業本部から人を動かしたら、 判りやすく、目立つので、用心深い高井は、 派閥の中で、もがいているHippo課長 に目を付け、そこから人を動かすことで、 社長、Hippo課長、双方へ「社長のため」 を「強調」させた。 これに、 社長は、隅々にまで、よく目が行き届く、 高井の気配りに、良い貌をしたし、 やっと、この会社の中で、理解者を得られた Hippo課長は、その反動で、高井の強い味方 になる。 大きな派閥を崩すためには、 弱い処から… こうして「高橋美音」は、いま、この会社 の、 最上階、ゴージャスで広い床面積なのに、 いままで、他の者があまり近寄らなかった 社長と 社長秘書しか居なかった このfloorに居る。 そんなミオンは、もうすぐ社会人2年目に なるが少しは大人になって、高井のために 動く「🌸」になるのか… それに、 もう、 高井の事が、 ミオンは、 少し、💛 気になっているようだが、 高井は、 これからも、 優しい貌で、 ミオンを護る。 「ミオン、お疲れ!」              高井は、 早く仕事を終えて、 ミオンを迎えに来る、        …は?うわっ…、GM!...      🐤...「あっ…         お疲れ様でございます」 「送っていくぞ…」      🐤「ほんとですか!えっと、         ありがとうございます」       …🎀ビックリ、し、タァ…               …あっ“この 🌹 匂い          💛 GMの…            いつも、の!…    🚗-  🚗-  🚗.。⁉        …ス・ゴッ!テカ...           送る?私を…              ナンデ?… 「ふっ…」✨          ウッ…⁉ヤバッ!          …GMの…          この笑顔ハ…、              ステキです…           ⋈ (◍>◡<◍) 🎀                       ✧♡スキかも♡… ミオンは、 まだ、高井の事がよく分からず、 なんだが、 イキナリだったので、 キョトン、と、したが、 いつも一人で、 あそこに座らされて、 人恋しくなっていたので、 ヤサシクされると 良い方に反応してしまう。 「ミオンは…、  パフェの専門店    知ってるか?」          🐤「はい!🍨🍨            夜パフェです?」          …何で?GMが、            パフェって、              あれ…❔… 「ほ・う・び、だぞ..✨  独りで、  頑張ってるからな…」          …ソウナンダ…           フンフン♫♪           …やったぁー❕…                  🐤「はい!         ゴチソウサマデス💛」        🚗🌹🍨🚗🍨🚗🍨❣ 『パタン!』 ミオンは、ストン!っと、 アッサリ、高井の車に乗った。 その席は、いままでは… それも知らない、 ミオンは無邪気に喜ぶ。    🐤「ナンカァ、私の周り、      まだ、車持ってないコ      バッカリだから、🚗🚗🚗       スッゴク、優越感です!」 ミオンは キョロキョロする。 「…ほぅ、    そうか…」 高井がミオンを連れて 行ったその店は、 ミオンが前に居た 新宿にある。 高井は、また、新宿へ? 今回は、 茉由と来た時とは違う、 駅を挟んでのニギヤカナ街。 仕事帰りに訪れる、 大人女子が多い店で、 アルコールもだすし、 🍨魅せるパフェは、 choiceも迷うほど、 そんな、中に、 ブラックスーツの、 ニヒルな高井は、 横顔もシブク✨ そんな、彼女たちからも チラチラッと👀目を奪うが、 高井は珍しく、 そんな、彼女たちとも、 目が合えば微笑み返した ...🌹 でも、 気づかない、 ミオンは、🍨 upする写真にこだわり、 お構いなしにchoiceする、 パフェに夢中.。o○ で、選んだのは、         🐤『ムフッ‼』          ⋈ (。・ω・。)♡ 🎀 🐤…「ガーベラと迷ったけど、    これ、    Fla◎ingoがのってるし!」 「ルビーチョコレートと  クリームチーズジェラートと  フワフワムース、  コンフィチュールと  ソフトクリームと  アーモンドビスコッティと  ナタデココ、  リンゴのコンポートと  赤紫蘇ジュレと  フレッシュキウイと  フランボワーズ寒天も一緒ぉ?!!」      🐤「わぁ~い💛」          ⋈ (*’▽’ )/ 🎀 🐤ミオンは声がデカイ⤴💛 高井はそのせいで、 周りに気を使っている。 「ん!…」 足を組んで、斜に構えていた高井は、 ゆるく前で組んだ腕をそのままに、 少し、背をそらし、 そんなミオンを落ち着かせたいのか、 優しいまなざしのまま、 この店とは関係ない事を云いだす。 「なぁ、ミオン…  どうだ…、  少しは慣れたか?  あー、 『花』の管理は大変だが、  おまえが、  独りであそこに居ても  あれは…  生き生きとしているし、  気分転換にも、なる、だろ?」   🐤❓…       ✋🍨✋「えっ?             はい...」 「あの花は…、  おまえに似合う…」 高井はエスプレッソを 一口、ゆっくり、 味わってから優しく呟く。                 …🌹            「え----?」          …ン!…♪…♫           ソウ、ナンダ…               💛♡♡…        💛♡♡…             (´∀`*) ミオンの座る社長室前の受付カウンターには、 今日も、高井が用意させたピンクデンファレ が飾られている… この、花言葉は、 「お似合いのふたり」「魅惑」「有能」 の、意味もある。 🐤♡… 🍑 🍑 🍑 🌸  🍑 🍑 🍑 🌸   「あれ!なんだよこれ、  咲?冷蔵庫の中、  もも? スモモ?  フルーツばっかりじゃん!」 🍑...  「ヤダ!勝手に冷蔵庫開けないでよ!   それ、『ソルダム』だけど、ナニ?   イイじゃん、食べたいんだから!」 「だって!これ、スゴイ量じゃん  食えるのかよ、こんなに1人で?」   「食べられるわよ!ってか、    それしか、    食べたくないんだよね、最近…」 「なんで?」   「分かんない!疲れてるのかな…          微熱💦続きだし…」 「おい!大丈夫か?医者は🏥?」        「平気💛 微熱だけだし」 「そうか?...」 佐々木は、咲を心配したが、 咲は、佐々木に気配りはしない。 佐々木は、どんなことでも、ストレートに 相手にブツケルように云ってしまうのだが、 この咲には、強く、言えない。 本当は、 いま、かなり空腹で💦我慢の限界だから、 勝手に、冷蔵庫を開けてみたのだが… 腹の足しになる食べ物などは、全く、なく、 「ソルダム」が、冷蔵庫を占領するように、 キチン!と、整列し、庫内の上から下まで ズラッと並べられていたので、 🍑…つい、 突っ込んでしまったのだが… 佐々木は「 飢えている🍚 」 でも、咲が、食事にこだわらずに、佐々木の この状態にも気づかないので、実は、モジモ ジしているのだ。.。o○ そんな佐々木に、 咲のトドメの ✖ 一発 ✖ ― 「食べられるわよ!ってか、  それしか、  食べたくないんだよね、最近…」                 ― が、出てしまったので… 『食べられないんだ…』💦       『食べられないんだ…』💦 『食べられないんだ…』💦 が、哀しくも、佐々木の頭の中で、クルクル と💡電飾💡のサインになって出てきていた。 佐々木は、身体は大きいが、咲に依存する、 甘えん坊の、気の小さい男なのかもしれない。 👶… この2人、同期が集められた「結婚報告会」 の時までは、佐々木がリードする感じだった のが、いつの間にか、咲の方が、ゼンゼン、 強い! すっかりイジケタ佐々木は、コンビニへ、 独り空腹を解決するために向かった。🔁 咲は、このところ仕事が忙しいのか、食事も あまりちゃんとしていない。「ソルダム」は、 洗ってそのまま口にできるし、水分も多く、 いくつか食べると、お腹がいっぱいになるか ら、最近の咲のお気に入りだったが、やはり、 フルーツだけなのも…、🍑… …美味しいから   良いじゃん… 咲は、佐々木に「モンクを云われた」と思い、 プンプン.。o○しているが、 佐々木が心配するのも分かる。 それからしばらくすると、なんだか、咲の体 形が変わってきた?少し、体重が減ったのか、 顔つきが♦シャープ♦になってきた。           「ねぇ…、             咲?大丈夫?」 昼の休憩時間。 咲の変化に、意外にも、 鈍感なはずの茉由が、 一番に気がついた。 「うん…、  ちょっと、微熱続き…」        「なんか、         細くなった?体重は?」 「少し減った。あまり…  食事ができなくて、  フルーツばかりだったから…」         「そうなんだ…、          サンドウィッチは?」 「うん、  口の中に違和感があって…、  でも、熱い物じゃないから、      食べられるかな…」           「そう…」          …咲、もしかして… そんな2人の前で、何も喋らずに、黙々と サンドウィッチを食べる梨沙。茉由のそん な、咲への控え目な気遣いにも、 全く、気づかない。 咲は、一口一口がゆっくりだし、飲み物も、 アールグレイのアイスティー 🍹 と、 冷たいものを選んだ。 茉由は心配したが、 なんとか、 咲は、半分だけ食べた。 ランチタイムに、本社前のこの cafeに3人 が集まるのは、もう、当たり前のようになっ ていて、 梨沙はマイペースに、テーブルの上に、 ノート💻を乗せ、仕事をしながら、 そんな、 2人の会話にも入ってこない。 梨沙は、 💻凄い集中力で 仕事を続けていた💻 そんな梨沙は、3人の中で、 一番の出世頭だし、 「仕事好き」かも、しれない。 それから、またしばらく過ぎた或る日、 咲が、 🥩「すき焼きパーティー」🥩をする からと、自宅に同期を集めた。 なんで… 「すき焼き」で、パーティー?っと、     同期全員が不思議がったが、 また、 佐々木の母と、咲のバトル 🥊 があったようだ… 咲は、 佐々木の母が、 咲と佐々木が2人で決めた 「別居婚」を認めずに、 たった、独り、で、 新潟から出てきて 👉 突然、咲の処を訪れ さんざん、 チェックした後 👉 実力行使に出て 👉 佐々木の借りていた マンションに居座り 👉 佐々木を追い出して 👉 咲の処へ、 転がり込ませる事を 👉 成功させたのだが 👉 そろそろ、 新潟へ帰らなければ 👉 家の事も 気になってきたのでは、っと 👉 咲も、ずっと、 独りで佐々木の処で頑張り続ける 義母を心配し、様子窺いに 👉 「一緒に食事でも」、と せっかく考えたのだが…、◎×💯 咲は、 このところ、体調も良くなかったので、 そんな自分と、義母の事も考え、 (手の込んだ料理は苦手でも、材料をきちん と並べて美しく盛り付けるのは、几帳面な性 格の咲は得意なので) サッパリとした「しゃぶしゃぶ」に招待しよ うとしたのだが、〇 佐々木の母は、 「すき焼き」が良いと言い出した。佐々木の 母は、「しゃぶしゃぶ」は、アッサリ?し 過ぎて、好きではないらしい。▲ けれど、 咲は、いつもならそんな事もさほど気にする タイプでもないのだが、 人の気遣いにも感謝しない?他人の事を分か ろうとしない?義母が、理解できないし、 ちょっと気に食わない。● だから、 意地になっていたのか、ただ、しつこい様に、 「しゃぶしゃぶ」を推したので、● 佐々木の母は、そんな頑固な咲に気分を害し、 余計に、「すき焼き」にコダワッタ。● 咲は、また?それで、✖✖✖ プツッ!っと、キレてしまい… 「お義母さん、スミマセン!  私、『すき焼き』を、  作った事が無いので、  どんな、お肉が良いのか  分かりませんから、 『すき焼き』にするなら、  お肉を買ってきてください!」✖✖✖ っと、スマホに向かって喧嘩腰に、 嫌味を言い放ってしまった。 すると、佐々木の母も、せっかく咲が誘った のだから、肉くらい、買って、差し入れして も善いような気もするが…、 ✖✖✖「あら?咲さん、    その程度なの、    アナタ、    知らないなら、    調べたらいいじゃない?」    「その!賢い頭でねぇ!」✖✖✖ ✖✖✖「だって、ねぇ?いつも、     駿に、ナニ、食べさせてるの?     買ってきたお惣菜ばっかり!         なのかしら?」✖✖✖ と、鋭く、まるで、視ていたかのように、 ★「図星」★、で、云い返してきた。✖✖✖ これは、このところ、体調が悪くて、キッチ ンに立ちたくはなかった咲にはキツい「お言 葉」だが…、 咲は仕方なく?同期を集めて、皆の手腕に期 待し、佐々木の母にやり込まれない様に自分 の「腕を上げるため」、に、すき焼きの、 「お試し会」を考えた。◎◎◎ 「咲?『すき焼き』ってさぁー、  けっこう、その家によって、  ビミョーに違うんだよ!」                ( =_=)… 梨沙は「肉が食える」席には、早く登場する。 今日も、なぜだか「ネ◎」を両腕で、たくさ ん抱えて、一番にやって来た。 「梨沙、そのネ◎、そんなに?  しかも、それ、なんか  すごく存在感があるし、  あっ、静かに置いてね、          臭いが...」 なぜか臭いに、敏感になった咲は、 香味野菜のネ◎に警戒心を むき出しにした。 「これ?あー、知らないの? ◎◎田ネ◎、『ブットイ』でしょ!  これ好きなの!それに、  ネ◎の甘味?  よく分かんないけど、  🍲に、入れる砂糖の節約に          なるらしいよ!」               !( ^o^ )! 「砂糖の節約は良いけど、  ホントニ、存在感がある…」 咲は何でも知っていそうだが、料理に自信が ないのは、有名な、このネ◎を知らなかった 事でも判る。本当に、いままで、建築の勉強 しかしてこなかったのだろうか… キッチンカウンターにゴロっと、並べるよう に置かれた、たくさんのネ◎から、すでに、 自己主張する様に出ている香りが気になって しまい、 さりげなく、冷蔵庫に突っ込んだ。 『こんなにたくさんの  ネ◎って、1人、ドレダケ、   食べたら、なくなるの?』👋 咲には、すき焼きに活躍する、好きな人には タマラナイ、梨沙もあんなに熱く語っていた、 このネ◎の魅力が分からないようだ。 梨沙に聴こえないように? 冷蔵庫に向かって愚痴る。 咲は、佐々木に、焼き豆腐、エノキダケ、春 菊…、もちろん、ネ◎も!野菜類は、全部任 せて、買い物に往かせた。 そして、梨沙が気になる「肉」は、 前回、久しぶりに登場した佐藤が、その会は、 自分の為に皆が集まってくれたので、御返し に、用意してくれることになっていた。 「翔太、マダかな💛」  (´∀`*)ポッ 梨沙は、ちゃっかり、リビングのソファで、 クツロギながら、佐藤(肉)を、思い焦が れていた。。        ✧♡💛 🥩… 「こんにちは!」☆… 佐藤よりも早く茉由が登場した。 買い物に出た佐々木と外でバッタリ会って、 一緒に、佐々木の買い物を手伝い、 茉由は、今回は、すき焼きなので、お店の人 に聞いたおススメの、やや辛口の大吟醸を差 し入れた。              「オッ💛」              (o^― ^o) 梨沙は、そのラベルを確かめると、ニヤッと 喜んだ。梨沙は、日本酒にも詳しい。 さっそく、勝手に、冷蔵庫に入れて冷やす。    「咲、これ、『花冷え』     くらいにしたいから、     私に任せてね!グラスは、     ワイングラスでいいよ!」                           ( ^▽^ ) / 「うん、良かった!  日本酒用の切子とか  ないから、ちょっと  心配したけど、梨沙、    流石に詳しいね!」 梨沙は、勝手に、自分でこの酒を独り占めし ようとしているだけだが、咲が褒めてくれた ので、            ..((uдu*)ゥンゥン  っと、得意な顔をした。 梨沙は、ドンドン、テンションがアガル。 でも、まだ?佐藤が肉と共に登場しないので、 ソワソワしてきたみたいだ。リビングから バルコニーへ出て、外を確かめたり、🔭 玄関ドアを開けて、首を伸ばし、エレベータ の音にも注意を払う。      …👀 どこまで、も、🥩、と、🍶を楽しみ にしているのかが、 一目瞭然で分かりやすい。               (⌒∇⌒)📍         「咲?          冷蔵庫開ける時には、              教えてね!」 「…ハイハイ!」👌 咲も呆れたが、梨沙は、 チョコマカしながらも、冷やしている途中の 酒をチャンと心配している。👌 咲は、今日も、体調が悪いらしいが、この梨 沙のチョコマカした感じは、ちょうど良い、 気分転換になるようで、今のところは、 穏やかな顔をしている。◎ その表情に、佐々木も安心する。 …ヤレヤレ… 茉由は、 佐藤が来ることが分かっているから、今日も、 表情は暗いのだが、誰にも、自分の気持ちを 言えない。▲ 茉由の、そんな、表情の変化には、 ここの誰も気づかない。              🚙🚙🚙... 「 おぅ、お待たせ〰、     道が混んでて、遅れたけど、 『肉』、大丈夫か、視てくれよぉー」☆ 約束の時間から、30分ほど遅れて佐藤は 登場した。      「ヤダ―、早くみせて!           大変じゃん!」             ×( `-´ ) 📍 梨沙は険しい顔で、佐藤(肉)に 跳びかかった。 「おぉー、ワリイ!   …🚙!  渋滞だからしょうがないじゃん!  肉以外のモノは、大丈夫か?  買い物行ってくるか?俺!」◎◎◎    「 翔太!ゴメンね、     梨沙スゴイよね!     他は…、     駿が用意してくれたし、     茉由は、     大吟醸持ってきてくれたよ!」 「そうかー、大吟醸!      🍶いいね!」 佐藤は、話し乍ら、サッサと手を洗い、 もう、 上着も脱いでシャツの袖を肘までまくり、 リビングのソファに腰かけて、くつろぎ だした。 梨沙は肉のチェックが無事に終わると、 佐藤に向かって、     「 翔太ぁ~⁉      肉は大丈夫👌だよ、      でも、      車だからダメじゃん!      せっかくの大吟醸!は、      代わりに私が飲むから      心配しないでイイヨ‼」▲ 🍶🍶             🍶 「ったく!  じゃぁ、俺は?」🍶✖‼        「知らなぁーい!」▲             ! (* ^^ ) ! なんだか今日は、🍶と🥩が揃って、 梨沙が一番楽しそうだ。咲が鍋を出すと、 スバヤク!真正面に!サッ!と、陣取り、 真剣‼に、鍋の様子を確かめた。    「ジャンジャン💛     入れちゃおーっと‼」           『ルンルン❣』              (⌒o⌒)♪ ✖「えっ?   おい💦梨沙‼」😨⁉ 佐々木は焦った。梨沙は、すき焼きを、 仕切りたがった、だけかと思ったのだが、 なんと、 咲が、チャンと分けて、それぞれに出した、 有難い、高級な、上等のすき焼き用の肉と、 「わりした」と、シラタキと、野菜…を、 梨沙は、ドサッ!と、 いっぺんに、鍋にブッコンだ! 結局、梨沙の仕切りで、 肉が、ニクニクニクッ!と、 イッパイの、 野菜が、スミマセン⤵ 隅っこで遠慮しながらの、 シラタキと居場所を探している🔂 ズブズブノ、ゴッタガエシタ、 🍲なべになってしまった。 これでは、 せっかくの肉が、煮込まれてしまう!          ✖「あぁ💦~あ!」 肉を食べない茉由も呆れた。 ✖「おぉーっとっと💦      これ???」 咲も唖然とした。 ✖「おい!なんか .。o○、   これ、『牛なべ』     みたいジャネ?」 佐藤が突っ込んでみたが、      「そお?」✖+✖+✖+✖   (・ω・ ) ? 梨沙は気にしない。 なんだか、 咲は… 具合が悪いのに、 それでも、 キッチンに 立って、 皆を集めてまで、 頑張ったのに… この、もう✖ なにも✖ 元に✖ 戻せ✖ ない、 鍋の中から、引き上げられない、 牛なべ?のようになってしまった鍋の前で、 呆然と、 呆れた。        『ポッカーン…』×4 .。o○      「💛 おいひぃいねー 💛」              (^)o(^) / 梨沙は、口いっぱいに肉を頬張り、 呆れる皆に、満面の笑みを見せる。 ✖✖「お…めぇ…💦」✖✖ 佐藤は、ヒキツリ、梨沙を睨みつける。今日 は、皆のために、それなりに高い、すき焼き 用の肉を買ってきたのに…、 ✖「おい梨沙!    コレッテ.。o○」 佐々木は、一応聞いてみた、      「なに?」 (#^^#) 📍 梨沙は気づかないのだろうか、 これがすき焼きではなく、 牛なべ…だと、 ✖×✖「おいおい…」 佐々木も、もう、ドッサリ入れられて しまった肉をどうする事も出来ずに、 ただ、梨沙に負けたくはなくて、 もう、拘らずに、ひたすら食べた。 「そりゃ…、   美味しいさ...」💧💧💧… 佐藤は、すきやき鍋で、すっかり煮込まれた、 高級な肉が、哀れに感じた。 咲は、一応、突っ込んでみる。 ▲「茉由?これって…、   すき焼き、なのかな?」         ✖「ん…、なんか、            たぶん、違う…」 茉由も「妻」だが、実は、家では茉由の母が 仕切り、それに甘えて、料理をしていないの で、作り方を聴かれると返事に困るが、 肉を食べない茉由でも、「すき焼き」は、 もちろん何度も、見た事はあるので、 これはどう見ても、違う。 結局、肉が食べられない茉由と、体調の悪い 咲以外の、佐々木と、佐藤と、梨沙は、すき 焼き用の肉で作った、ひたひたの牛なべを、 美味しく、美味しく、美味しく、食べた… 咲は、 佐々木の母に、リクエストされた、 「すき焼き」を、ちゃんと、 お出しできるのだろうか…       「ねぇ…、駿?         すき焼きってさ…」               ❔… とうとう、 咲は、佐々木に確認した。 「あー、よそさんの家のは  分かんないけど、ウチはさ…、  まず…、牛脂を、  熱した鉄鍋に入れて、  脂をあぶり出してから…、  肉を一枚一枚入れて、  軽く焼き色をつけて…、  そこに、『わりした』を、  少し、入れて…、  さっと焼いた肉になじませ、  溶き卵につけて、食う!  カンジ…  で、野菜を加えたり、  シラタキを、入れたり…」◎        「そうなんだ…、         『わりした』は?」😌 「あー、たぶん…、  醤油、みりん?  ザラメか砂糖?  酒、ダシ?を加えて  少し加熱して、  ザラメを溶かした  汁の?で、つまりは、  すき焼の『タレ!』だろ…」◎            「へぇー!」😌 あぁ~あ!これは…、 咲は、最初から、佐々木に聞けば良かったの に、頑張った、今日一日が、ただの「同期会」 になってしまった。 「まぁー、良いじゃん!  今日は楽しかったし、  割り下も市販のでも善いし…  翔太が良い肉、持ってきたから、  助かったし...、  咲の、具材の盛り付けも         上手かったぞ!」☆☆☆           「ふぅ~ん…」☆… 佐々木は、 咲の事が分かってきた。 今回は、チャンと、 咲と母親の間に入り 「fade-out」を行使しないで 済むのかもしれない。 咲は、佐々木が、自分の家の味を、押しつけ がましく、なく、サラッとしたカンジで話し たので、 少し、素直に?気持ちも落ちついて聴けたよ うで、どうやら、「佐々木家のすき焼き」が、 頭にインプットされたようだった。 🍲   🍲🍲  🍲  🍲🍲   🍲    皆が、それぞれに(茉由だけは微妙だが)、 同期との和やかな時間を楽しみ、満足、満腹 のうちに帰ろうとすると、咲が思い出したよ うに梨沙に声をかけた、     🚙... 「梨沙?こんど、  中村さんの、  デザイン工房、  見に行きたいんだけど…」                ❓…              「あっ?        そうなの、分かった…」 梨沙はアッサリしていた。 「じゃぁ、中村さんに   聞いといてくれる?」          「うん、良いよ…」 梨沙は、 あまり中村さんのことを話したがらない。 咲も、この時は、 あまり長くは話さなかった。                🚙… 「茉由?   送っていくぞ!」 佐藤は、 帰ろうとした茉由に声をかける。         「エッ?           あっ、大丈夫!」 「イイから‼  俺、酒飲んでないし!」              「......」 佐藤のその声に、もう、玄関でスニーカー の紐を結びながらの梨沙が反応し、       「ワタシ、も、乗せて!        ねぇ、翔太、先に、        ワタシのトコ寄ってよ!」 「おっ!良いぞ!」 茉由は困ったが、梨沙は、逃げる様に先に 出ようとした茉由の腕を引っ張り、茉由と 一緒に、佐藤の車の後部座席に乗り込んだ。 佐藤は、 梨沙の急なリクエストに、嫌な顔をせずに、 梨沙と茉由が後部座席に落ち着いたのを 確認するとエンジンを掛けた。 佐藤は、ニコニコしている。 スポーツマンらしく爽やかな笑顔を キープして、 茉由を安心させたかったのだろうか、 茉由と梨沙を車に乗せて、 梨沙に云われた通りに、 先に、梨沙の処へ寄り、 車から梨沙だけを降ろすと、 アッサリ、 「またな!」        「うん!アリガト💛」          『ヴァタン!』 茉由は、車から降りた梨沙を目で追い 茉由に手を振る梨沙に、黙ったまま、 バイバイ、と、手を小さく動かした。 茉由の表情は強張っている。 佐藤は、 梨沙とは、一言だけの挨拶ですませると、 すぐに振り返り茉由に声をかける。 「茉由?   こっちにこいよ!」          「私は、大丈夫…」 佐藤は、 茉由を独りで後部座席に乗せたままなので、 前に移動するように言ってみたが、茉由は、 後部座席のまま変わろうとはしなかった。 「……」              「......」 そのまま...、 佐藤は黙って車を走らせる。 車は神奈川方面へ向かい、イチゴ道路を走り、 多摩川を渡るところまで来ると、佐藤は急に、 ハンドルを大きく回し、 茉由は、その勢いで、後部座席の片側では 支えられずに揺さ振られたが、 佐藤は、黙ったままの茉由にイライラしたの か、そんな茉由に、何も声を掛けないまま、 川沿いの道に突然、車を止めた。 佐藤は運転席で前を向いたまま、後部座席 の茉由に、ルームミラーごしに話しかける。 それもいきなり、 一番、茉由が聴きたくない、 佐藤と話したくない事を喋る。 「…おまえ、    GMと…」         ...エッ?ナニ…            …GM、は…          …大丈夫、             ですけど…              「......」 驚いた茉由は、一瞬、 眼をルームミラーに向けたが、 佐藤と眼を合わせたくないのか、すぐに、 俯いて何も答えない。 「おまえ…、   GMのこと…」              「......」 佐藤は、 穏やかに話をしているつもりだが、 茉由は口を閉じたまま、 無表情でうつむいている。 「おまえ、   母親だろ…」                ...分かってる、よ…          大丈夫、だもん…                    …GMとは、         カラダ関係ないし、          GMは…、          じゃないって、          云ってくれたし…              「......」 「おかしいだろ…」 佐藤は覗き込んでいた ルームミラ―から 目をそらした。              「......」       …だって、          GMは、考えを…                        変えないし… 「俺と、話したくは      ないのか?」 佐藤は手持ち無沙汰の 両手を、ハンドルに戻した。                            「......」 茉由はうつむいたまま 動かない。 「俺が恐いのか?」              「......」 茉由は沈黙を守る。 「俺は、おまえの…」              「......」 「茉、由?」              「......」 「…お! い‼」              「......」 『プップゥーーー!!』 突然佐藤は、ハンドルを握っていた右手を 離し、クラクションを鳴らした。            『ビィクッ!』 「おい! 茉由っ‼」 とうとう、 佐藤の声が荒くなる。          ...翔太、やっぱり、               怖い、よ…              「私…、              降りる…」 「......」              『バタン!』 茉由は、佐藤の車を勝手に降りると、土手に 上がり、少し、高くなっている川沿いの道を トボトボと歩いて、 スマホを手に、知らない土地の、 近くの駅を探した。 これは、 茉由にとっては… 独りで、 知らない処を歩くなんて…、 珍しかった。 こんな事を、 独りでするなんて、 初めてだった。 それほど、 茉由は、佐藤の車に乗っているのが、 佐藤と一緒に居るのが、怖かった。 それに、 茉由は不器用でも、佐藤に誤解されない ように、思わせぶりな態度も、善い顔も、 もう、けっして、見せたくはなかった。 茉由は、 態度を、できるだけ、 悪くして、 『 嫌われたかった 』 佐藤は、そんな 茉由の気持ちが分かったのか、 車から降りる事も、ウインドウを開けて、 茉由に声をかける事もせずに、土手を歩く 茉由が見えなくなるまでジッとしていた。 茉由はグルグルと、初めての場所なので 迷いながら、なんとか駅を見つけると、 乗り慣れない初めての電車で、 コワゴワ緊張しながらも、 やっと、家にたどり着いた。 それなのに… 「ホッ!」と、小さく息を吐いて、 何もなかったように玄関ドアを開けると、             『カチャ!』 「茉由ちゃん?  お帰りなさい、  佐藤さん、来てるわよ!」 家に着くなり 茉由は驚かされる。             「エッ?」 「おかえり、    茉由!」          「翔太?            どうして…」
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加