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エレベーターを待っていると、風見の社のカメラマンの山口が滑り込んで来た。
「あーすみません。遅くなっちゃって」
「いや大丈夫だよ。まだ時間になっていない」
風見が山口にそういうと、
「すみません。私が早く来すぎたものですから」
と、マリアが恐縮したように軽く頭を下げた。
「いえいえそんなつもりで言ったんじゃありませんよ」
慌てて風見が言い訳している内に、エレベーターは降りる階に着いた。
部屋に入ると風見は早速インタビューを始めた。カシャカシャと山口がカメラのシャッターを切る。
「では早速すみません。野村さんがヴィーガン料理を始められたきっかけから教えて頂けますか」
「実は始めたきっかけなんかはないんですよ。わたしの故郷では当たり前の事なんです。ヴィーガンなんて特別な言い方はしませんけど」
「野村さんの故郷では菜食が普通という事ですか」
「そうです」
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