契約と新婚初夜

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 ベッドの端で震えるわたしに伸ばされる聖壱さんの指先。それが頬に触れてビクンと身体を竦める。  私はいつもはこんな気の小さな人間なわけじゃないの。ただ今までずっと異性とのこんな触れ合いをしたことが無くて戸惑っているだけ、それだけなのよ! 「もう逃げ場はなくなったぜ。どうする、香津美?」  楽しそうな聖壱さんにイラつくわ。私よりも9つも年上の彼は、きっと女性の扱いも慣れたものだろうし。 「これ以上私に触れたら、許さな…いん……だから……!」  緊張と男性に追い詰められるという恐怖で涙が出そうになるが、そんな事は私のプライドが許さない。 「分かった、香津美にはまず俺になれてもらう必要がありそうだ。少なくとも5年はあるからな、じっくり攻めることにしてやるよ。」 「迷惑よ、他の女を探しなさいよ……」  いい迷惑だわ。愛だの恋だのが無くていいからあなたとの結婚を受けたのに。こんなの詐欺じゃないの? 「嫌だね、俺は香津美が良い。人形みたいな女はごめんだと思ってたが、俺は本気で香津美のその性格に惚れたんでね。」 「貴方、女の趣味が悪すぎるわ!大人しくて何でも言うこと聞いてくれる女の子の方が可愛らしいに決まってるじゃない。私はキャンキャン煩いだけの女なのよ?」  自分に欠点はちゃんと分かってる、意地悪な性格と出しゃばりな所、他にも色々あるのよ。  なのに聖壱さんは――――
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