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いまさらそんな事言われたって、この性格を変えることなんて出来っこないのは分かってるくせに。聖壱さんはありのままの私を受け入れて「好きだ」と言ってくれてるんでしょう?
「そうじゃないだろうが。俺が止めるのも聞かずに何にでもに首を突っ込んでいく、そういう危なげな所を直して欲しいって言ってるんだろ?」
私はそんなになんにでも首を突っ込んでいるかしら?確かに何かあると自分でどうにかしたくなる性格なのは認めるけれど。
それでも私はどこかで……
「何かあればきっと聖壱さんが駆けつけてくれるって、そう思っているのかもね?」
「香津美はすぐそうやって、俺をその気にさせて……」
私の言葉に少し悔しそうな顔をする聖壱さん。だけどね、今まで私が危ない時には必ず助けに来てくれる王子様みたいな貴方もとても魅力的なのよ。
「とにかく、香津美は余計な事に首を突っ込むのは――――」
【ピンポーン……】
こんな時間にインターフォン?聖壱さんも少し驚いたようだけれど、立ち上がり玄関へ。私もその後ろからそっとついて行ってみると……
「柚瑠木?どうしたんだ、こんな時間に。」
玄関に立っていたのは、月菜さんの夫で聖壱さんの幼馴染の二階堂 柚瑠木さん。いつも無表情な彼が、今日はなんだかとても苦しげな顔をしていて……
「こんな時間にすみません。どうしても聖壱と二人きりで話がしたいんです。」
この感じ、もしかして柚瑠木さんは妻の月菜さんと何かあったのかもしれない。聖壱さんには余計な事に首を突っ込むなと言われたばかりだけれど……
私はスマホを持ってそっと玄関から出て、月菜さんの番号に電話をかけた。
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