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「なんで、聖壱さんは脱がないの……?」
私と一緒にお風呂に入るのに、彼がこんな風に服を着たままだったことは無い。それが何を意味するのか、正直考えたくないけれど……
私の質問に、聖壱さんはまるで悪戯っ子のような笑みを浮かべて言ったの。
「これは、お仕置きだって言っただろう?いつもと同じじゃ意味がない。」
これは絶対に良くない事を思いついている顔だわ。どうやら聖壱さんは本気で私にお仕置きをするつもりのようで……おかしいわよ、こんなの!私は何も怒られるようなことはしていないのに。
「ねえ、ちゃんと話を聞いてよ。私は別に……冷たっ!」
まだお湯に変わる前のシャワーを浴びせかけられて、身体を濡らされる。普段の聖壱さんはこんな意地悪な事はしないのに。
でもそのシャワーは聖壱さんにもかかっていて、どんどん彼の服を濡らしていく。
「聖壱さん、服が……」
そう言って、おもわず彼の服に手を伸ばそうとすると……
「俺の事より、香津美は自分の事を心配した方がいいんじゃないか?」
伸ばした手を掴まれて、そのままそっと壁に押し付けられる。決して乱暴にされている訳じゃないのに、今の聖壱さんには抗えない。
そんな事をされては私は身動きが取れなくなってしまうというのに。
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