契約と新婚生活

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「そういう捻くれた態度を取られると、余計に逃がしたくなくなる。香津美は俺をその気にさせるのが上手いな。」  聖壱さんは何を言っているのよ、私はそんなこと頼んでないでしょう?物事を何でも自分の良いように変えてしまう聖壱さんに私は唖然とするしかなかった。 「その気になるのはほかの女性だけにして!私を揶揄っているのなら許さないわよ!」  必死で睨んでも、聖壱さんはそんな私を見て「クククッ……」と笑ってるだけ。許せない、()を揶揄って遊ぶなんて!  このままじゃ、私が聖壱さんに負けているみたいじゃない。貴方なんて、どんな手を使ってでも……私は恥ずかしさを我慢して、自ら聖壱さんの身体に触れる。 「お、どうし……あ、こら!擽った……はっ、はは、くははは!」  私は聖壱さんの脇腹を両手で擽ったの。何度もしつこく擽られ我慢出来なかったのか、聖壱さんの腕の拘束が解けたのでわたしは急いで彼から離れた。 「今度、勝手に私の身体に触れたら、こんなのじゃ済まさないからね!」  とどめとばかりに近くに置いてあったクッションを聖壱さんに投げつける。ここまで乱暴な妻になるつもりはなかったけれど、これは聖壱さんが悪いと思うの。 「香津美は本当に面白い女だな。結婚相手なんてつまらないただのお嬢様だと思っていたのに、見合いの相手がお前で本当に良かった。」  聖壱さんはそう言って笑っていたけれど、彼の私を見る眼つきは獲物を狙う肉食獣のようだった。
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