契約と新婚生活

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 聖壱さんと二人で朝食の後片付けを終えると、出かける準備をしてから【ラピスヒルズビレッジ】内にあるショッピングモールへ。  歩いて向かっている途中、そっと彼の腕に手を伸ばしてみたの。聖壱さんをちょっと揶揄おうかと思っただけよ。  だけど簡単に見破られて、私の手は彼の手に捕まってしまって……  恋人のように指を絡めた繋ぎ方に、緊張で汗をかいてしまいそうになる。 「香津美は初心者だから、こっちから。もっと慣れたら腕を組ませてやるよ。」  ニヤリと笑った顔が憎らしいわ。だけどこうして手を繋いでいるだけでも、心臓がビックリするくらいドキドキもしてる。 「こんなの初心者レベルでしょ、別に何ともないわよ。」  強がってみせると、聖壱さんにもっと笑われる。あまりに腹が立ったから、つま先で脛を蹴ってやったわ。 「……ったく、すぐ手が出る女だな。そうだ、香津美は和菓子は好きか?」 「ええ、実家に住んでいたころはよく食べていたわ。どうして?」  私の両親はどちらかというと日本の文化を好んでいて、食事も和食中心だった。だから私も日本食の方が好みで…… 「テナントの中には有名な高級和菓子店があって、香津美に似合いそうな和菓子があるから見て欲しいんだ。」 「え、私に似合う和菓子……?」
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