契約と二度目の夜

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 聖壱さんはどうやら勘もいいみたいね。少しくらい欠点があってもいいと思うのに、本当にこの人は……  夫が完璧すぎて嫌になるとは、もしかしてこういう事なのかしら? 「すぐに触れようとしてくる聖壱さんと一緒じゃ、安心して眠れないもの。」 「そうか。俺は今、香津美に渡した契約書に夜の夫婦生活について書いておかなかったことを激しく後悔してる。」  直接な言葉に、私の顔が真っ赤になっていくのが分かる。きっと私が恥ずかしがるのを分かってて、言っているのよね。聖壱さんのそういう所、私は好きじゃないわ! 「あ、貴方はまたそういう事をっ!」 「愛する妻を欲しいと思う事は、夫として当然の事だろ?香津美は素直に俺に愛されればいい。」  愛されないから夫婦生活もいらないだろうとOKした契約結婚のはずなのに……気付けば夫から溺愛され身体まで求められるなんて。  ねえ、貴方に素直に愛されるってどういう事なの?ずっと捻くれて生きてきた私には、そんな愛され方は分からないの。 「私が素直にならなかったら……?」 「心配いらないさ。俺の前では香津美が素直になれるように、俺がお前を変えていってやる。」  何よ、それ?「私を変えてやる」なんて、どこからそんな自信が湧いて来るの?  そんな事を私は望んでないはずなのに……聖壱さんの強気な発言になぜか胸がドキドキしてる。
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