契約と二度目の夜

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 そんな事、私は聖壱さんに望んでいないわ。心の中ではそう思っているはずなのに、彼から伝わってくる温もりは心地よく感じてしまう。 「私は、そんな事教えて欲しくなんか……」 「香津美、お前が本当に嫌なら力いっぱい抵抗してみせろ。そうじゃなきゃ、俺は止めてやらない。」  そんなに急いで私を追い詰めようとしないでよ。少しの考える時間もくれず、グイグイと攻めてくる聖壱さんに私は戸惑うばかりで。  このままじゃ、バクバクと音を立てている私の心臓が壊れてしまうんじゃないかって思ってしまった。  聖壱さんが止めてくれないという事は、もしかして私はこのまま聖壱さんに……? 「お願い、ちょっとだけ待ってよ……私まだ心の準備が。」  焦って彼の胸を手で押し返そうとすると、聖壱さんに手首を掴まれシーツに縫い留められてしまう。真剣な表情で私を見つめる彼から、私は思わず目を逸らしてしまった。 「逃げるな、香津美。ちゃんと俺を見ろ、俺と向き合うんだ。」 「待って、待ってよ聖壱さん!そんな無理ばかり言わないでよ、私は何もかも未経験なのに……!」  こんな風に男性に迫られた経験のない私には、聖壱さんみたいにグイグイと攻めてこられるとどうしていいのか分からない。
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