契約と二度目の夜

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「愛されろって、私は一体どうすれば……」  聖壱さんは簡単に言うけれど、愛し方を知らない私は勿論愛され方も分からないわけで。私は聖壱さんの言葉に首をかしげるしかない。 「香津美はどう愛されたい?俺は言葉と身体の全てでお前を愛したい。」  聖壱さんに耳元で色っぽく囁かれ、頭がクラクラしそうになる。世の中の恋人や夫婦はこんなにも甘い言葉を囁き合うものなのかしら?  言葉と身体……彼は私の全てを望んでいる、そして私の全てを手に入れる準備をしている。  私はもうどう頑張ってみても、聖壱さんから逃げられる気がしなかった。 「じゃあ、愛してみせて?この私に人を愛する感情を教えて見せてよ。」  逃げられないからって、簡単に何でも言うこと聞く女になるつもりはないの。  こんな性悪女の私を愛して、愛を学ばせてみればいい。私が聖壱さんを愛せたら、貴方の勝ちよ。 「いいだろう、香津美が俺無しじゃダメになるくらい俺に夢中にさせてやる。」  グイっと顎を持たれて唇が近付く。ちょっと待って、私はキスもまだ―――― 「これからは香津美の唇も、身体も髪の毛一本まで俺のものだ。決して他の男に触れさせるな。」  そう言って聖壱さんは私の目を手のひらで隠すと、そっと口付けた。本当にちょっとだけ唇が触れただけのキスだった。
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