契約と二度目の夜

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「今は香津美のこんな反応を見ているのも悪くない。そう思えるくらいには俺はお前に夢中なんだよ。」  私の小さな変化も見逃さず、彼はどんどん私を暴いていこうとする。私ですら知らなかった私の顔を彼は見ようとしてる。  そうやってストレートな愛の言葉で私の心を揺さぶって、どんどん胸を苦しくさせていく……  ……ああ、やっぱりこの人は甘い甘い毒で私を狂わせていくんだわ。 「ねえ……誰かに夢中になるって、どんな感じがするの?」  聖壱さんに腕枕をされて、私はベッドに横になっている。私は普通の枕が良いって言ったのに、聖壱さんが「腕枕をする」って譲らなかったのよ。固いし、寝心地もいまいちだけどそう悪くないわね。 「そうだな、俺は香津美に夢中になって毎日ワクワクドキドキしてる。たまに想像もつかない事を香津美がしてくれるから、スリルもある。」 「よく、分からないわね。私はどんな風に人を愛することが出来るのかしらね。」  もう結構遅い時間だからか、だんだんと眠くなってくる。こんな話をするつもりじゃないのに。 「ずっと誰かを愛することは辛く切ないだけじゃないかって思ってた、だから今まで恋をしてこなかったの。でも今は少しだけ恋をしてみたい……」 「俺に恋をすればいい。ずっと香津美の傍にいてやるから。」  聖壱さんの優しい言葉を最後に、私の意識は遠のいていった。
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