契約と仕事の始まり

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 聖壱さんに言われた通りの休み明けの月曜日、目を覚ました私は聖壱さんを起こさないようにそっと寝室を後にする。  今日は華美になりすぎないように控えめな感じのメイクにして、緩くパーマのかかった長い髪をひとつに纏める。  そして……聖壱さんが私のために用意してくれたスーツに腕を通すと、なんだか身が引き締まるような気がする。  準備が終わってリビングへ行くと、ちょうど聖壱さんが起きてきたところだったようで…… 「おはよう。今日は早起きだな、香津美。」 「ええ、初日ですもの。それなりに気合を入れているのよ。」  そう言ってエプロンを付けるとキッチンへ。相変わらず簡単な物しか作れないけれど、仕事のため朝はしっかり食べた方がいいと思うから。  朝食を食べると、聖壱さんに仕事の準備をするように言ってから後片付け。丁度終わったころに聖壱さんもスーツ姿でリビングに戻って来た。  スーツ姿で髪を後ろに流している聖壱さんは、仕事の出来る男って感じでかなりカッコいいのね。調子に乗るだろうから、絶対言わないけれど。 「じゃあ今日から頼むな、美人社長秘書さん。」 「ええ、出来る限り貴方のサポートを頑張らせてもらうわ。俺様社長さん。」  聖壱さんの揶揄いなんてどうってこと無いの、軽く言い返してバッグを肩にかけ玄関を出る。  慌てて追いかけてくる聖壱さんの姿にクスクスと笑いながらエレベーターのボタンを押した。
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