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「それで、社長の奥さんがただの社員の私に何の用があるんですか?」
私が呼び出したのが余程気に入らないのか、女性社員はこちらを見ようともしない。「社長の奥さんが~」なんて言いながらも、私に取っている態度は自分の方が上よ!と言わんばかりで。
なかなか気が強そうね、それなりに楽しめそうだわ。
「刀山さん、あなた私のデスクで毎日楽しく遊んでるでしょう?どういうつもりなのか聞こうと思って。」
「は、何を言ってるんです?社長の奥さんにそんな事する訳無いじゃないですか。仕事が出来なくて被害妄想にでもなってるんですかね。」
なかなか言ってくれるわね、この子。私への敵意を凄く感じるわ。だからって大人しく泣いて帰ってあげたりしないけど。
「だいたいあなた元々お嬢様なんでしょ、無理してこの会社で働かなくてもいいんじゃないですか?」
「……つまり、刀山さんは私をこの会社から追い出したい、と。追い出したところで聖壱さんが貴方を見てくれるわけでもないのに?」
意地悪い言葉で、彼女の本音を引き出そうとしてみる。ほとんど交流のない刀山さんが私を追いだしたい理由なんて、聖壱さんしかあり得ないもの。
「狭山社長は……見合い相手には何の感情も無い。会社のために結婚するだけだ、と言ってました。」
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