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「聖壱さん!?」
聖壱さんを見ると頬が少し赤くなっていて……どうやら彼は私の事を身を挺して守ってくれたらしい。
だけど、そんな聖壱さんに私は……
「何をボケッと叩かれているの。男なら避けるとか、振り払うとかしなさいよ!」
思いきり怒鳴ってしまったの。普通は「ありがとう」って言わなきゃいけないところなのに、どうして私はこうなの?
「香津美、俺が怒られる前に、俺が香津美を怒りたいんだがな?」
聖壱さんにジロリと睨まれて、首をかしげてしまった。私は聖壱さんに怒られるようなこと何かしたかしら?
そんな私の疑問が彼にも伝わったらしく……
「俺は香津美に「危ないことはするな」と言ったはずだ。それなのに速攻で夫との約束を破るとはどういうことだ。」
「ああ、確かにそんな事も言われたわね。でもそんな事言われたって、まさか刀山さんが手を出してくるとは思ってなかったし。」
これっぽっちも反省していない様子の私を見て、聖壱さんはちょっとイラついている様子。きっと今まで彼の傍にいた女性は何でも言う事を聞く人ばかりだったのでしょうね。
「心配して見に来てみれば暴力を振るわれそうになってるし、この状態でも反省もしようとしない。本当にお前はなんて妻なんだ!」
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