契約と新妻の自覚

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「つまり……柚瑠木(ゆるぎ)は俺たちの結婚生活を聞いて、これから始まる自分たちの契約婚の参考にしたい、と?」  聖壱さんは少し驚いたような顔で、柚瑠木さんに確認をした。 「そういうことです。聖壱にはいちいち説明する必要が無くて助かります。」  それって私達だけでなく、柚瑠木さん達も契約結婚をするって事よね。そして聖壱さん達はそのことをお互いにすごく理解し合っているようで……  何故かしら、2人の会話に何かが引っかかるの…… 「ねえ、聖壱さん……?」 「悪いが、香津美は先に部屋に帰っていてくれ。俺はもう少し柚瑠木と話す事があるから。」  聖壱さんと柚瑠木さんはお互いに目を合わせ、私に部屋から出ていくよう指示する。どうしてよ、私がここにいると困る話でもしようとしてるの? 「聖壱さん、私は……っ。」 「いいから先に帰ってろ、いいな香津美。」  私は貴方と契約婚をした、いわば仲間みたいな存在では無いの?どうして私は二人の話を聞かせてもらえないの? 「聖壱、彼女は僕の秘書に送らせます。」  二人に対して疑問ばかりが浮かぶのに、それを上手く言葉にする事も出来なくて……結局、私は柚瑠木さんの秘書にレジデンスまで送られて帰った。
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