契約と新妻の自覚

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「なんの……ことだったかしら?」  忘れた振りしたって、聖壱さんを誤魔化す事なんて出来ないって分かってる。だけど今の私には他にいい方法が何も浮かばなくて…… 「せっかく夫の友人夫妻と仲良くしようという、妻の自覚がでてきたようだしな。もっと香津美には色んな事を覚えて貰おうか?」  それとこれとは全然違うでしょう?どう考えても聖壱さんの教えようとしている事は、身の危険しか感じないのよ! 「いい、間に合ってる。今は遠慮します!」  自分らしくない台詞だってことは分かってる。だけど服の中へと侵入してくる聖壱さんの手の感触、もう色々と考えている余裕はないの。 「遠慮?香津美には似合わない言葉だな。心配しなくても痛いことはしない。香津美が気持ちいいことだけだ。」  口角を上げた聖壱さんの妖しい色気が凄い。こんなの私みたいな何も知らない女にはこの人のフェロモンは刺激が強すぎて。 「それも結構よっ!」  もう泣きたい気分になっていた。大体痛いことって何、気持ちいいことって何?聖壱さんはいったい私に何をしようとしてるっていうのよ! 「残念だが香津美に拒否権はない。今日は諦めて俺のを受けるんだな。」  絶対変な授業でしょう?そう言いたいのに、もう言葉が出なくって……聖壱さんが私の首筋に顔を埋める瞬間のくすぐったさに身体を震わせた。
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