契約と新妻の自覚

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 私は聖壱さんから逃れようと必死で身を捩る。すると彼の指先が私の下着に引っ掛かって……気付いたら白い膨らみが露わになってしまっていたの。 「きゃあ!見ちゃダメ!」  そう叫んだ時にはもう遅くて、聖壱さんは胸を隠そうとする私の両手首を掴んでしまう。信じられないわ、私も悪かったと思うけれどいくら何でもやりすぎよ!  誰にも見せたことのない場所をジッと見られるなんて、堪らなく恥ずかしい。私が聖壱さんから目を逸らすと、聖壱さんは大きく息を吐いてから自分の上着を脱ぎ始めた。  待ってよ、私はまだそんな心の準備が……!  そう思って目を瞑ると、私の身体の上にパサリと何かがかけられて……ゆっくりと目を開くとそれは聖壱さんが脱いだはずのスーツの上着。 「やりすぎて香津美に嫌われたら困る。でも今度同じような危険な事をしたら、次は手加減してやらないからな?」  私の頭をクシャッと撫でて、彼は一人でバスルームへと行ってしまった。嫌われたら困るのに、次は手加減してくれないだなんて矛盾してるんじゃないの?  そこまでして守りたい存在だっていうの、こんな性悪女の私が? 「本当に、変な人だわ……でも、やっぱり嫌いにはなれないかも。」  聖壱さんが私を追い詰める時は、だいたい私のためであって……それでも私が怖がる前にちゃんと止めてくれる。彼が本当はそんな優しい夫だと分かってきたから。
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