契約と寂しい気持ち

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 お風呂からあがって、ベッドの上で聖壱さんが来るのをじっと待っている。ここ数日は彼が寝室に来る前に、私の方が疲れて先に眠ってしまう事の方が多かったのだけど。  それで朝になって慌てて起きてみると、聖壱さんは仕事に行ってしまった後で……いつも小さなメモだけが残されているのよ。  小さな気遣いは変わらずしてくれているし、私の事をないがしろに扱っている訳ではないと思う。だけど……前みたいに触れても来ないし、私の事を揺さぶるようなことも言ってはこない。 「……遅い。」  色々考えているうちに、一時間は過ぎたかもしれないわ。いくら聖壱さんがお風呂が好きだとしても遅すぎる。私はそっと寝室の扉を開ける。 「どうして……?」  リビングはすでに照明が消されており、真っ暗だった。暗闇の中から寝息が聞こえてきてそっと近寄ってみたの。  どうして聖壱さんはソファーで眠っているの……?  私が眠ってから彼はベッドで一緒に眠っているのだと思い込んでいた。まさか……私と眠る事さえも嫌になったって事なの?  そう考えると胸が苦しかった、それは今までに感じたことのない苦しさで。  足音を立てないように寝室に戻って、とりあえずベッドに腰掛ける。  いつから私はこんなに聖壱さんに避けられるようになってしまったのだろう?彼が私の肌に触れたのはつい最近の事だというのに……  聖壱さんの行動の意味が分からなくて、苦しくて……この場所に一人ぼっちになった気がして、とても寂しかった。
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