契約と寂しい気持ち

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 聖壱さんに避けられていることが分かって数日間、それは落ち込んだわ。  一度妻として特別扱いしてもらってしまったんだもの、どこかでまだ必要とされてるんじゃないかって期待もするじゃない?  けれどそんな気持ちも彼に避けられ続ければ、どんどん萎んでしまって……  だけどある朝、一人ぼっちのベッドで目覚めて思ったの。こんなの全然私らしくないって、ね。  今まで私のこの性格に驚いて去っていった人間なんていくらだっているわ!いまさら夫に避けられたくらいでめそめそするなんて、そんなの性悪女を自負する狭山 香津美とは言えないわ! 「避けられている理由が分からなければ、捕まえて聞けばいいだけよ。私達は夫婦であり、社長と秘書の関係なんだから!」  そう、やっぱり私はこうでなくっちゃ。いつまでもイジイジグズグズしていたら、可愛い妹にだって笑われてしまうわ。  私は着替えを済ませ、リビングへ。もちろんそこに聖壱さんの姿はない。テーブルの上に小さなメモ紙 『おはよう、香津美。先に仕事に行ってくる』 「毎日同じ内容で、私が喜ぶなんて思わないでよね?」  これも聖壱さんの優しさだと分かっていても、避けられ続けてたまった怒りは収まらない。  私はどうやって聖壱さんを問い詰めようかと、ずっとその事ばかりを考えていた。
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