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毎日毎日、同じことの繰り返し
朝3時に文字通り叩き起こされ
それからすぐ水風呂に入れられ
1時間風呂の中で放置され
身体は拭いて貰えず扇風機の風で乾かされる
オムツは新品に取り替えてもらえるが
服は同じ服を着させられる
それから部屋に戻り朝食を口に詰められる
アレルギーのある人は朝必ず
アレルギー物質を摂取させられる
そして薬も口に詰め込まれわざわざ口の中で
噛み砕かせて飲ませる
それからお昼までは拘束され天井と睨めっこ
昼食の時間は職員の食事が終わってからなので
だいたい14時頃でとてもお腹が空く
昼食も同じく窒息寸前まで口に無理やり詰め込まれ
薬も詰め込まれる
その後は室内を清掃するためにハタキをもって
掃除に取り掛かる
ホコリが舞うが咳き込んでしまうと
併設する診療所に連れていかれて無理やり診察
その月の利用料金が倍になるのでなるべく我慢する
室内清掃の時ベッド下の糞尿回収用のバケツを取り替えるのだが
必ずと言って良いほど顔近くまで持ってきて
バケツの中に顔を入れさせようとしてくる
たまに押し込まれて自分の糞尿を飲み込んでしまう時もあった
それから夕食までに時間があるのでまた拘束
廊下の方からする職員達の笑い声を聞きながら天井と睨めっこを繰り返す
この時、誰か1人でも機嫌の悪い職員がいれば
何かしらの嫌がらせをされる
暴力や罵声
例えば指の骨をおられたり
かぶれたお尻や背中にアルコールをかけられたり
これからどうやっていたぶるかを話してきたり
本当におぞましいものだった
夕飯は何度も再利用された油で揚げたような
汚い揚げ物がしょっちゅうメインで出てきていた
たまに芋虫などの昆虫の揚げ物もあった
職員達は
大事なタンパク源だからしっかり食べなさい
と、嬉しそうに口に詰め込んだ
年寄りに揚げ物なんてきつすぎるが
吐き出すとそれを食べさせられる事は
皆承知しているので
誰1人文句も言わず吐き出すこともなく耐えた
夕飯が終わるとまたキツく拘束される
それからは安息できる時間になる
熟睡してしまうと拘束された手足がちぎれそうになるので浅い眠りになってしまうが
なにも考えなくて良い
なにも怯えなくて良い
そんな唯一の時間だった
絹代はそんな毎日に慣れてしまっていた
そして自分がどれだけ衰弱してしまっているか
分からなかった
今日も終わる
やっと眠りにつける
絹代は静かに目を閉じて
2度と目を開ける事は無かった
この地獄から解放された絹代の寝顔は
とても安らかだったと言う
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