現実逃避行

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 いつの間にか幸平はうさぎに懐いていた。 おそろいのサングラスもかけてもらっている。あ、私もか。 ただ、真っ赤なパンツだけは断っているようだったけれど。  そんな二人の……いや、一人と一匹の後を追いながら、私は久しぶりにゆったりとした時間を過ごしているように感じていた。  うさぎはまた赤いドアの前で立ち止まる。 私が追い付くと、うさぎは二つ目のドアを開けた。 そこにもまた、ある日の私がいた。
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