927人が本棚に入れています
本棚に追加
/69ページ
『・・・う。侑っ!!』
『ふぇっ!?』
大きな声で名前を呼ばれ勢いよく体を起こせば、なぜか若干涙目の父さんが俺を見ていた。
『良かった〜!!中々起きんけ心配しただで!?』
『今何時・・・?』
『侑の発情期が始まった次の日の朝8時。』
『えっ。1日経っとるん・・・!?』
1人で処理をしてからほんの1、2時間くらいしか経ってないと思ってたのに・・・。
まぁ最後の方は記憶がぶっ飛んでたし、いつの間にか気絶しちゃったのかもな。
『体は大丈夫なん?どっかえらいとこない?しんどかったら言ってよ?』
『んー。喉は若干乾いとるけど発情期の方は落ち着いとるかも。』
『そっか。初めての発情期だけ不安定なんかもなぁ。ご飯食べて抑制剤飲んだら病院行ってみよっか。』
『分かった。』
『じゃ、準備してくるけぇ着替えて降りてきんさい。』
ーバタンッ。
『うっ、うぅぅぅぅぅっ!!』
扉が閉まったと同時に、俺の口からは言葉にならない音が零れ落ちた。
いやだってさ!?
父さんと会話してる途中に気付いたんだけど、俺のベッドは処理してた時のまんまなわけよ。
つまりベッドの上の惨状が父さんに見られたわけで。
・・・今すぐ地面に埋まるか切腹したいくらい恥ずかしい。
だってこんなん“父さんが持ってきた玩具を使いましたよ〜!!”って言ってるようなもんじゃん・・・。
『もう俺お婿に行けれん・・・。』
“侑萊はお婿じゃなくてお嫁さんじゃない?”と脳内の親父が言うけど、それはガン無視してやった。
何で脳内でもデリカシーってもんがないんだよ、親父。
最初のコメントを投稿しよう!