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どうも、1日に2回も嘉月に噛まれました、池田侑萊です。
朝の寝惚けた甘噛みとは一変して血が出る程の本気噛みをされた俺の首は、現在殺人現場並の凄惨さになっております。
・・・簡単に言えば、割と傷が深かったのか血が止まらん。
1箇所だけだったからまだ処置がしやすいけど、何箇所もだったら確実に病院送りだったはずだ。
『こ゛め゛ん゛な゛、ゆ゛ー゛ち゛ゃ゛ん゛っ!!』
『謝らんでいいし、泣きたいのはこっち。お前は吸血鬼かよ。』
『う゛ー゛。ら゛っ゛れ゛っ!!』
『はいはい、だってもクソもないわ。それより、カットバン貼れたん?』
『は゛れ゛た゛っ!!』
『ならもうおしまい。夕飯作らないけんけぇ離して。』
『・・・。』
カットバンを貼り終わったと言ってるのに、なぜか俺の肩を掴んだまま離さない嘉月。
むしろ、肩を掴む力が徐々に強くなってる気がする。
コイツ、夕飯食べる気ないのか・・・?
今日は入学祝いに豪華な夕飯を作ろうと思ってんだけど。
無理矢理手をどけて夕飯を作りに行った方が早いかもなと、考えていれば。
『・・・ねぇ、ゆーちゃん。』
『何だよ。』
『絶対に、隙を見せちゃダメだで。』
肩越しに言われたから、その時の嘉月がどんな表情をしていたのかは分からない。
・・・でも、耳に届いたその声は微かに震えているような気がした。
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カットバン=絆創膏なんですが、これは方言なのか単純に我が家の特有の言い方なのか・・・?
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