夏の暑さにやられまして※

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今日の最後の授業は、教室移動をしなくちゃいけない化学の授業だ。 実技系の教室移動は10分休憩の間に教室がある本校舎(第1校舎)から実験室や家庭科室がある実習棟(第3校舎)まで行かなきゃいけないので、俺と蜜瓏は余裕を持って休憩が始まってすぐに教室移動することにしてる。 ・・・んだけど。 『っ、この匂いは・・・。』 3年生と職員室などがある第2校舎横の通路に足を踏み入れた途端、Ωの匂い(フェロモン)が漂い始めた。 香りの強さから言って急な発情期(ヒート)だろうと察した俺達は、急いで匂いの元へと向かう。 ・・・早くしないと見知らぬαに襲われてしまうかもしれない。 蜜瓏が徐々に離れていくのを気配で感じながらも、俺は足を止めなかった。 『・・・ね、がい。い・・・て。』 『・・・めです!!気を・・・に!!』 徐々に聞こえ始めた声の1つが昔から耳に馴染みすぎてるものだと気付いた瞬間、俺の足はまるで根っこが生えたかのように動かなくなる。 何で、この場所にいるんだ。 『嘉月・・・。』
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