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ところ変わって、現在嘉月の部屋にて。
俺と嘉月はベッドの上で正座をし、無言状態になっていた。
・・・いやまぁ原因俺なんだけど。
嘉月がせっかく真っ赤になりながら言ってくれたのに、俺がリビングなんて嫌だと言ってしまったせいで・・・。
俺が若干後悔していると、嘉月が恐る恐るといった感じで口を開いた。
『あの、ゆーちゃん・・・。』
『ん?どうしただ?』
『ほ、本当にいいだか?もしも嫌だったら1人で何とかするけ大丈夫だで・・・?』
『嘉月。俺は大丈夫だし、男に二言はない。』
『ゆーちゃん・・・。』
『心配なんてせんでいいけ。』
よしよしと頭を撫でてやれば、手首を掴まれて押し倒される。
ふーふー。と荒い息を吐く嘉月からは、理性がほとんど飛んでいるようだった。
そんな嘉月を見たせいか俺の身体もじんわりと熱を帯び始め、目の前の嘉月を媚びる様な目で見つめてしまう。
・・・ここからは、山名嘉月と池田侑萊ではなくただの雄と雌の時間だ。
後に俺は、柚貴先生に言われてこの時何が起きていたかを知ることになる。
“運命の番”がお互いに求め合えば擬似的な発情期が始まる、ということを。
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