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キャラメルみたいに、光の反射で焦茶にも薄茶にもみえる茶色の髪。
母親(♂)の巴月さん譲りの蜂蜜みたいな琥珀色の瞳は、嘉月の感情を具に表す。
赤い頬と唇は艶々とした林檎みたいで、見た人が思わず齧り付きたくなるくらい。
容姿は宗教画に描かれた天使のように可愛らしく、嘉月が笑うだけで周りを笑顔にした。
そんな嘉月は幼稚園のアイドルで、遊び時間になると男女問わずにすぐさま周りに子供達が集まる。
だけど嘉月は『ゆーちゃんとあそびたいけぇ、ごめんなぁ?』と断り、俺以外と遊ぶことはなかった。
俺も嘉月程ではないけど比較的整った顔立ちだったからか、『『まぁ、ゆーりくんならいっかぁ。』』と喧嘩することなく嘉月と遊ぶ許可が降りたものだ。
・・・たまーに嘉月に片想いしてると思わしき子供達が『ゆーりくんばっかりかぢゅきくんとあそんでじゅるい!!』と癇癪を起こすこともあったけど、嘉月が微笑んで『ゆーちゃんがいいから。』って言った瞬間に解決してしまう。
そんなこんなでベッタリ引っ付いて成長した俺達だから、第二の性について学んだ俺が嘉月のことを運命の番じゃないかって思うのは必然だった訳で。
まさか、天使みたいに可愛かった嘉月がαで俺がΩ・・・しかも嘉月は俺のことを運命の番だと感じていないばかりかαだと思っていたなんて、バース検査を行うまでまっっっっったく知らなかったのである。
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