第一章・マンダーの呪い

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第一章・マンダーの呪い

 王女エッダの留守中に城の寝室に愛人を招いた王サーディンは、ベッドの上で女性が馬乗りになった状態で、絶頂に達して愉悦(ゆえつ)の表情を浮かべたまま木炭のように固まって最期を迎えた。  愛人も局部の周辺から腐り、尻と乳房まで炭黒くなって息絶えていたが、肩から上の頭部と腕先の肌は正常な状態を保ち、股間の精液が毒液となり体を蝕んだと疑われる。 [王が愛人と腐って、全裸でフリーズしている。]  そのニュースはベッドメイキンの為に寝室へ入って悲鳴を上げた召使いから、世話役、女官長、王国専任の錬金術師アルダリに伝わり、旅先の王女エッダへ白い伝書鴉が飛ばされた。  アーズランド王国の城。塔の上にサーディン[イワシの紋章]の旗がはためき、南東には巨石と森と水の精霊の湖がある。額にオスのマーク記号がある白カラスが上空を旋回して、受取人の分泌物を嗅ぎ取りながら巨石の山へ向かった。 (異性のフェロモンの匂いで手紙を届ける白カラスをエロガラスと呼ぶ者もいるが、愛の配達人だと商人は高値で売っている。)
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