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記憶探し
次の日、私はあの男に再び会えないか、考え始めた。
あの男が何度か来ていたような、そんなぼんやりとした記憶があった。
とにかく私以外の人間が存在しているのが少し嬉しかった。
早々に食事を終え、あの男を待つことにした。
今度会った時、何を聞こう。
まずは名前だろうか。私自身の名前は未だ思い出せていないが、名前を聞くことが何かの一歩になるのだろうと、ほんのり感じたのだ。
それは私にとっての記憶探しの始まりだったとは思いもしなかったのだが。
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