逃避行

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逃避行 キリキリと心に刺さるブレーキ音聞きながら 地下鉄の人混みを駆け抜ける 錆びれたレールの焦げたニオイ 汗と香水のかおりから抜け出した ポケットにはあなたの待つ飛行機のチケット 強く強く握りしめた 人々の視線が胸を刺す 振り返らずに 陽のあたる地上へ 嘘ばかりのニュースとか 誰かの陰口だとか 目にしないように 聞こえないように 恋はいつでも燃え尽きる流星のように 追いかけても手を伸ばしても つかみきれない 握ったくしゃくしゃになったチケット 手のひらで伸ばして そのまま走り出す 嘘ばかりのニュースとか 誰かの陰口だとか 目にしないように 聞こえないように
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