第3話『鳴のいる場所』

11/13
前へ
/15ページ
次へ
的井「見苦しい真似を」    UMN-3が酒を吐き出す様子を見つめる鳴。酒が降ってきて慌てて後退りする。    OBI-1は地面に伏している。    鳴の前に神酒谷。 神酒谷「お嬢さん、どうだい? オイラの勝利の美酒を一緒に浴びるってえのは」    鳴、下を向き悔しそうに鳴子を見つめる。    ふと、衣装の袖の『帯』の文字を広げる。    ×  ×  ×    フラッシュ。教室、放送室、被服室で衣装制作する鳴達の姿。    倉庫で衣装を受け取り笑顔の坂東。    ×  ×  ×    もとの車道。    顔を上げる鳴。 鳴「それは、無理!」 神酒谷「はあ?」 鳴「これは皆で作った衣装。だから汚すわけにはいかない」    OBI-1内。坂東が鳴をじっと見つめる。 鳴「私の汗以外にはね」    神酒谷と対峙する鳴。 神酒谷「粋がるなよ」 鳴「粋? 衣装に込めた皆の想いを乗せて踊る。それが今の私の粋よ」    地方機内。嬉しそうに見つめる坂東。 坂東「鳴……」    立ち上がるOBI-1。 神酒谷「これでおしまいだ」    UMN-3が独楽を回す。    見つめる沙羅、藤間、鬼頭、的井。 沙羅「どうすれば」 藤間「隙をついて地方機の動きを止めるしかない!」 沙羅「響紀、鳴。相手の隙を探すのよ!」 坂東・鳴「隙?」    独楽が『天狗』の絵で止まる。 神酒谷「そんなものはない」    と接待所に近づく。    鳴が神酒谷を見つめる。首に掛けた杯が目に入る。    鳴が指さす。 鳴「響紀、あれよ!」    接待所の神酒谷。『天狗』の杯に、酒をつがれる。    地方機内の坂東。モニターには神酒谷と『天狗』の杯。神酒谷の手元がアップになる。坂東、何かに気付く。 坂東「そうか! ここだ!」    走り出すOBI-1。独楽を拾い、上空にぶん投げる。 神酒谷「独楽がなくとも、次の一撃で終演だ」    神酒谷が酒を飲み干す。    OBI-1がUMN-3のお面に飛びつく。『ひょっとこ』が『天狗』に変わろうとするが、OBI-1の手で押しとどめる。 神酒谷「悪あがきを!」    徐々に押されるOBI-1の手。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加