第3話『鳴のいる場所』

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   地方機内の坂東。 坂東「まだだ」    坂東の見つめるモニターの先、上空から何かが降ってくる。    お面に弾き飛ばされるOBI-1。    地方機内の坂東、UMN-3を見つめる。    神酒谷の顔が青ざめている。 神酒谷「何てことを」    神酒谷の視線の先にUMN-3。『天狗』のお面とUMN-3の隙間に独楽が挟まっている。    動けないUMN-3。    立ち上がるOBI-1。 坂東の声「地方機に隙ができる瞬間が二つある。一つは酒を飲んでいる間。もう一つはお面が変わる瞬間だ」 沙羅「やったわ!」 藤間「大逆転だ!」    地方機内の坂東が鳴を見つめる。 坂東「鳴行こう!」 鳴「うん」    鳴の踊りがOBI-1の動きと重なる。    坂東と鳴の叫び声。    OBI-1、UMN-3に強烈なタックル。    地面に倒れるUMN-3。    歩道から、大歓声が上がる。    神酒谷の持つ鳴子石が宙を舞い、OBI-1に吸収される。    満足そうに笑う坂東と鳴。    と空から大きな影が伸びる。    上空に椿姫とその地方機。    椿姫の地方機の手がUMN-3を包み込み、持ち去る。    土下座する神酒谷。 神酒谷「椿様、申し訳ありません」    黙って鳴を見つめる椿姫。    鳴の髪に花かんざしが飾られている。    上空へ消える椿姫と地方機。    青空が広がる。    ×  ×  ×    坂東と鳴のもとへ来る沙羅。 沙羅「やったね」    沙羅の後ろから近づく布由子。 布由子「沙羅、持ってきたわよ」    布由子が沙羅に包みを渡す。    沙羅が、包みを持って鳴に近づく。 沙羅「これ、渡しとく」    と鳴に包みを渡す。包みを開く鳴。中に、(捨てたはずの)踊り子衣装。    驚く鳴の顔。 沙羅「ちょっとずつカビ取りしてたの」    鳴が踊り子衣装を抱きしめる。 鳴「優しいのね、あなた」 沙羅「あなたじゃなくて、沙羅って呼んで。私も鳴って呼ぶから」 鳴「ありがとう。沙羅」    照れくさそうに沙羅が笑う。    布由子や坂東と談笑する沙羅。
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