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布由子「洗濯物乾かして畳んでおいたからね」
布由子が鳴に包みを渡す。
鳴「ありがとう」
布由子「それとこの踊り子衣装……」
布由子の表情が曇る。布由子、鳴に衣装を見せる。衣装に黒いカビが生えている。
布由子「カビが生えてた。すぐには落ちそうにないわ」
沙羅「ちゃんと、洗濯してたの?」
鳴、首を横に振る。
沙羅「じゃあ、仕方ないわね」
鳴、衣装を受け取る。と突然衣装をゴミ箱に捨てる。
沙羅「ちょっと! 何するの! 大切な衣装なんでしょ」
鳴「着られないなら、衣装なんていらない!」
と鳴が、早歩きで出て行く。
坂東「鳴!」
追いかける坂東。
○同・玄関(夜)
鳴が急いで靴を履く。
追いつく坂東、沙羅、布由子。
坂東「どこに行くんだ」
鳴「倉庫に帰るの!」
布由子「泊まっていっても良いのよ。お家の方も心配でしょ」
鳴、顔をそむけたまま、
鳴「お邪魔しました」
と扉を開け、出て行く。
無言で見送る坂東、沙羅、布由子。
○帯屋町高校・地方部倉庫・外観(夕)
西日が倉庫を照らしている。
○同・地方部倉庫・内(夕)
つなぎ姿の坂東が床に仰向けになり、地方機OBI-1の整備をしている。
沙羅がトランペットを持ち、やってくる。
鳴のテントがあり、その入り口は開いたまま。
沙羅「あの子は?」
坂東「商店街。練習があるからって」
沙羅、ため息をつく。
坂東「倉庫の鍵は渡してあるから、大丈夫だよ」
沙羅「じゃあ、演舞の衣装はどうするのよ?」
坂東「鳴が踊ってくれれば、どんな格好でも構わないよ」
沙羅、いらいらした表情。
沙羅「甘い! 甘いよ、響紀は」
坂東、きょとんとした顔で沙羅を見つめる。
沙羅「分かった。私があの子を連れてくるから!」
早足で出て行く沙羅。
坂東「沙羅?」
沙羅を見送る坂東。
○帯屋町商店街・歩道(夕)
歩行者天国のアーケード街。
シャッターの降りた店の前で踊る、ジャージ姿の鳴。
側のラジカセから音楽が流れている。
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