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沙羅の指が、ラジカセのスイッチを押す。と曲が止まる。
沙羅が鳴の腕をつかむ。
沙羅「来るのよ!」
鳴「ちょっと、何!」
沙羅に引っ張られながら、鳴が商店街を去る。
○帯屋町高校・教室(夕)
隣同士で椅子に座る坂東と鳴。
教壇に沙羅。
沙羅「今から踊り子衣装を作ります」
鳴「えー、面倒くさい」
沙羅「そこ静かに!」
苦笑いする坂東。
沙羅「まず衣装のテーマから。響紀、意見を」
坂東「鳴が踊りやすい衣装が良いんじゃないかな。鳴は?」
鳴「私は、何でも」
沙羅「だめ! 意見を出す」
嫌そうに声を上げる鳴。
× × ×
机を囲む坂東、沙羅、鳴。
ノートには衣装のテーマが書かれている。
沙羅「次はデザインね」
と立ち上がる沙羅。
○同・放送室(夕)
扉を開ける沙羅。
沙羅「放送部!」
振り向き沙羅を見つめる放送部員A(16)、放送部員B(16)。
沙羅「パソコン貸して!」
放送部員A「何だい! 山村君」
続いて入ってくる坂東と鳴。
坂東「衣装を作りたいんだ。急にごめん」
と手を合わせる坂東。
放送部員B「坂東部長……」
放送部員A「地方部の頼みなら喜んで!」
放送部員B「坂東部長には、機材の点検とかお世話になってるからな」
坂東「ありがとう。じゃ、さっそく……」
坂東がPCの前の椅子に座ろうとする。
と沙羅が、坂東の肩をつかむ。
沙羅「響紀はここまでよ」
坂東「どうして?」
沙羅「地方機の整備があるでしょう。後は私たちに任せて」
鳴「私たち?」
沙羅「そうよ。あなたもやるの」
嫌そうな声を上げる鳴。
坂東「じゃあ頼んだよ。鳴、沙羅」
と笑う坂東。
× × ×
PCを操作する沙羅と鳴。
二パターンの衣装(白地に桃色の花の衣装と紺色に白色の花の衣装)のデザインができあがる。
○同・被服室(夕)
扉を開ける沙羅。その後ろに鳴。
沙羅「次、手芸部!」
手芸部員A(16)、手芸部員B(16)、手芸部員C(16)が座って見ている。
沙羅が鳴の背中を押す。
沙羅「ほら」
鳴「地方部です。衣装を作りたいので協力してください……」
手芸部員A、手芸部員B、手芸部員Cが鳴を取り囲む。
手芸部員A「あなた転校生の踊り子よね」
鳴「(緊張気味に)……はい」
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