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稲敷トレーニングセンターにだいぶ近づいたとき、チャチャカグヤはカレンダーを見て困った顔をした。
『せめて2週間空いていれば、卯月賞にも参加できるのに…』
『あるいは優駿牝馬と東京優駿のように同じ競馬場の開催とかね』
シュバは少し考えて言った。
『姉さん、東京優駿にも出られるんじゃない?』
チャチャカグヤもすぐに真丹木調教師を見た。
『真丹木さん!』
その提案に、真丹木はあまり乗り気ではないようだ。
「気づいちゃったか…あまり過密なスケジュールにはしたくなかったんだけど…」
『お願いします!』
チャチャカグヤが頭を下げると、真丹木は困った顔をしながらツバメを見た。
「まあ、本人が出たいと言っているので…」
「わかった。申請しておくね」
牝馬クラシックと違い、牡馬を中心としたクラシックには牝馬も参加できる。中には牡馬たちを置き去りにして優勝した牝馬もいるので、こればかりは参加してみなければ誰が勝ち残るのかはわからない。
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