名馬シュバババババババ（波乱の初陣 ２０２４～２０２５年）

桜花ステークスに向けて

『姉さん、一応…阪神競馬場の様子を確認する？　タブレットで』
『前に参加していますが…一応見ておきましょう』
　桜花ステークスの１６００メートルは、実は前にチャチャカグヤが参加した阪神ジュベナイルの１６００メートルと全く同じ距離、コースを走ることになる。

　大まかに桜花賞のコースを説明をすると、スタートラインは観客席から見て向こう正面の直線コースからとなるため、第１、第２コーナーは走らない。
　スタートから最初のコーナーまでの距離はおおよそ４４０メートル。この直線コースを越えると第３コーナーとなり、第３・第４コーナーを合わせて距離は約６８０メートル。
　最後の直線も長く、約４７０メートルある。
『姉さんから見て注意しなきゃいけないのは、最後の直線…残り２００メートルから１００メートルにある１．８メートルの坂道だね。ここまで脚をためていた後続が抜きにかかってくる可能性がある』
『ジュベナイル前の練習で、貴方にやられましたもんね』
　チャチャカグヤは少し考えると、シュバに尋ねた。
『…ところで、シュバから見て怖い馬はいましたか？』
　チャチャカグヤが念を押すように尋ねると、シュバは眉間にしわを寄せて考え込んだ。
『ジェントルキャロトのような例があるから確実にとは言えないけど…今のところ、雨が降ったら気を付けた方がいい静かなバラのお姉さんがいるだけだね』