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翌日から、真丹木きゅう舎はチャチャカグヤのトレーニングに全力を挙げた。チャチャカグヤのすぐそばに、かつての6冠馬ドドドドドドドドドが走っているが、その威圧感は相当なものだ。
すぐ後ろを走るシュバも、その異様な闘志を感じ取ったようだ。
『これほどの威圧感は僕では出せない…さすがは父さん』
『シュバ、お前ももう少しチャチャにプレッシャーをかけろ!』
『わかった』
ドドドがそう言ったところで、体重390キログラムのシュバでは、チャチャカグヤにプレッシャーを与えることは難しい。
『それなら、嫌らしい動きをしようかな…?』
彼が牙を剥いたのはコーナーに入る30メートルほど手前だった。その小さな馬体を利用して彼女の前に飛び出したシュバは、チャチャカグヤの斜め前に陣取った。ここに立たれると、チャチャカグヤもカーブを走りづらくなる。
『コーナリングが上手なだけあって、楽をさせてはくれないわけですね』
『どうしたチャチャ! その程度か!?』
ドドドに言われると、チャチャカグヤは鋭く父と弟を睨んでコーナーを駆けた。
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