桜花ステークスに向けて

1/8
前へ
/351ページ
次へ

桜花ステークスに向けて

 シュバは馬運車の中で、桜花ステークスのことを調べていた。  このG1レースは、牝馬にとっての3大クラシックの1つであり、最初の関門でもある。元々は1800メートルの競技で長山競馬場で開催されていたが、1947年に京都競馬場に開催場所を変更。今の距離は1600メートルとなっている。  ちなみに、本レースで5着以内に入れば、次の優駿牝馬…通称オークスへの優先参加権を得られる。 『優勝賞金は1憶500万円。レースレコードは1分32秒7』 『マゼランレグリアさんの出したタイムですね』  駿馬マゼランレグリアは、2024年の今では引退してしまっているが、騎乗していたフランス生まれの名騎手は未だに現役だ。 『騎手に気を付けて…多分、別のお手馬がいると思う』 『D・メルさんの恐ろしさは、重々承知しています』  シュバは馬運車に括り付けられたタブレット端末を眺めながら言った。 『イタリア育ちのアムロー3姉弟と言い、外国人騎手は本当に実力者揃いだよね。今回のレースでもそれぞれのお気に入り馬で参戦するみたい』
/351ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加