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 私と話していると、微妙に賢治の声のトーンや仕草が変わる時がある。表面上に変わりはないし、私でないと見過ごすような些細な差異だ。  条件は良くわからない。ほかの人と話している時は普通にしているのに。不思議だ。  ここから賢治の悩みの原因の一端でも掴めればと、私は下から顔を覗き込んだ。 「なに!? 体近くないか?」 「近いかもね」  賢治は避けるように体を反らして、困ったようにそっぽを向いた。臭いモノを本能的に嫌がる犬か猫のようだ。  私のことを嫌っている風、ではなさそうだけど。  ……まあいいか。  アースちゃんの可愛さについつい心を囚われてしまったけど、ここへ来た目的を今一度胸に刻もう。 「アースちゃんのお陰でやる気出てきたよ! 賢治、やるからには必ずたくさんの光精を見つけようね」 「ああ……よろしく頼む。安全第一で、何かあったらすぐに俺に教えてくれよ。危なそうなことは俺が率先してやるからな」  恥ずかしげもなくナチュラルに、こういうことを平気で言う。
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