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「マジか! 一体そこ何がいるわけ」
珠理はいぶかし気に眉間に皺をいっぱい寄せて、私を見てきた。
「クラゲがメインなの。色んな種類のクラゲがたくさんいるんだから」
「あ、そう。クラゲの水族館ねえ。今はさ、わざわざ水族館に行かなくても写真や動画がいっぱい見られるし、そこに行きたいと思わせる何か特別なものがない限り行かないんじゃない? 海月もインスタとかやったらいいのに」
「SNSは、お母さんがあまり良い顔をしないから」
「はあ? ゆり子、SNSはダメとか言うの? 自分はめちゃくちゃ使っていそうなのに」
珠理は私のお母さんのことを、いつもゆり子と呼ぶ。お母さんがおばさんって言われるのを嫌がるからなんだけど。
「お母さんは仕事の関係もあるからやっているらしいけど、私には向いていないって言うから、止めておこうかなって」
「そんなこと言って絶対にやらないつもりでしょ。ちゃんと使えば怖くないって。そこの水族館の宣伝にもなるしさ、クラゲ撮ってSNSに上げたらいいじゃん」
「でも、もう閉館は決まっているみたいだし」
「だけど人気が出たら、閉館しなくてもいいんじゃないの?」
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