2.クラゲ王子と呼ばないで side海月

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「そういうもの?」 「たくさんの人が潰さないでくださいってお願いしにきたら、市の偉い人だって潰すなんて辞めようって思うんじゃない?」 「でも、赤字経営だって、ずっと言われているし」 「もー、海月はホントに後ろ向き。やってみなきゃわかんないこともあるよ」  確かに珠理のいう通りなのかもしれない。私はいつもやる前から考えすぎて何もできなくなってしまうから。  副館長の代わりにSNSで水族館の宣伝をするくらいなら、私でもできるのかな。 「だけど部外者の、しかも高校生がそんなことをしたら迷惑じゃないかな」 「じゃあ、クラゲ王子にやらせればいいじゃん。一応関係者みたいなものなんでしょ。とにかく! 王子に告って来ないと、水族館まで押しかけて写真を撮りまくってやるからね。あと帰りに可愛くしてあげるから、黙って帰らないこと。わかった?」 「う、うん……」
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