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自然体なんだけどスマートでエレガントな美しさが溢れ出ていて、私の憧れの女性だったりもする。
どう頑張っても、私じゃあんなふうにはなれそうにもないけど。
副館長は、クラゲを主としたゼラチン質のプランクトンの生態を研究している。
この水族館の副館長をしつつ、バックヤードでは研究をしたり本を書いたりしていて、海洋生物学の分野では結構有名な人だったりする。
以前は大学教授をしていて、その頃取材に来たステラさんから猛烈なアタックをされて、ふたりは恋人になったんだそう。
なんで私がこんなことを知っているかというと、副館長がステラさんの想い出話をたまにしてくれるから。
時々聞いている私のほうが恥ずかしくなるような話までしてくるから、困ってしまうけど。
そんなわけで、私と副館長は、人の少ない水族館で恋の悩みを話すお友達だったりする。
「ステラさんは戻ってきていないんですか」
「クラゲガール、良く考えてくれよ。私とステラはもう夫婦じゃないんだ。ステラが、「あなた元気?」なんて言って、わざわざ日本までやって来ると思うかい。怜音のことで電話はあっても、ここには来ないよ」
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