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「さすがにわかりますよ。餌はブラインシュリンプですよね」
「お、さすが副館長の息子。別名はアルテミアとも言うんだけど、小さな節足動物でエビみたいな感じかなあ。僕が最初に飼育したのがこれ。子どもの頃に生きた化石だって流行ったんだ」
「へえ。餌としてしか見たことがなかったです」
「このビーカーに入っているのがそう。コンマ二ミリほどの卵を孵化させているんだよ」
片岡さんは、大きなビーカーに入った赤茶色の液体を指さした。
「ほら怜音、覗いてみなよ。ポリプがブラインシュリンプを食べているから」
顕微鏡を覗かせてもらうと、イソギンチャクのような見た目のポリプが、細かくなったブラインシュリンプの欠片を捕えようと、長い触手を動かしていた。
「あー、捕食しているって感じしますね」
「小さくても生きるのに必死だからね。じゃあ、クラゲガールもおいで」
「はい!」
くらげちゃんはワクワクした様子で顕微鏡を覗き込む。
「こんなふうに食べるんですね! わあ、ヒドロ根を伸ばしているのも見えます!」
「いいね、そのリアクション。クラゲガールみたいに喜んでくれると、こっちも仕事が楽しくなる」
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