3. バックヤードで会う時は side怜音

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 副館長とあまり仲が良くない蔦下さんが、息子である僕を嫌いなのは仕方ないのかもしれないけど、それにしてもいつも当たりがキツいんだよな。目つきも悪いし、口を開けば怒っている感じだし、本当に苦手だ。  片岡さんも顔を上げて、あちゃあ、見つかっちゃったねというように首をすくめている。 「ああなんだ。君までいたのか」  蔦下さんは、顔を強ばらせていたくらげちゃんのことをじろりと見た。 「蔦下さん、こんにちは」  くらげちゃんが挨拶をしても、蔦下さんは冷たい視線を浴びせるだけで、にこりともしない。  挨拶くらい返せよ! と思いながらも、情けないことに僕は蔦下さんに意見なんかできない。蔦下さんを前にすると、蛇に睨まれた蛙みたいになってしまう。 「あの、今日はくらげちゃんにエフィラを見せる約束をしていて」  僕がそう言った途端、蔦下さんは明らかに顔を顰め、更には舌打ちまでした。 「副館長がいいと言ったなら勝手にしたらいいが、なんでもかんでも触らせるなよ。あと怜音、お前は仕事としてここに入るなら、せめて服と靴を着替えろ」
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